まず反射神経という神経は存在しません。
ただ、一般的には感覚情報を受けて反応するまでの速さという意味合いで使われます。
そういう意味では反射神経は感覚情報(視覚、聴覚など)を脳に運び、脳から運動の情報を手足などに送り反応するまでの時間です。
目次
反射神経と運動神経は違います
反射神経は存在しませんが運動神経は存在します。
何となく鈍い人に対して運動神経がにぶいとか、反射神経がにぶいとか表現を使ったりしますが、反射神経については明確な定義がありません。
そして、運動神経は脊髄から手足や体幹に運動の情報を送る『通り道』の事をいいます。
「運動神経がにぶいなぁ」と使われるとき、上記の運動神経そのものではなく、正確には
脳の処理(運動のイメージや筋肉の選択、筋収縮の調整)や手足の筋肉(骨格筋)の動きが悪いなぁという意味合いです。
そして、この脳の処理や手足の筋肉は経験により改善します。
反射神経と反射(脊髄反射)は違います
混同しやすいのですが、俗にいう反射神経と、反射は別物です。
反射(脊髄反射)とは?
反射(脊髄反射)っていうのは脳を介さないで起こる動きです。
手足や体幹の感覚情報は脳に行く前に脊髄を通ります。
(※視覚、嗅覚、聴覚の感覚情報は脳にダイレクトに届きます。)
で、脳で判断して反応するという動きになりますが、反射は直接脊髄から運動の指令が送られます。
こんなイメージです。
通常の運動は①~④の流れになりますが、反射(脊髄反射)は②と③がカットされます。
反射(脊髄反射)を例に出すと、
熱いものをさわった時に手を引っ込めたり(屈曲反射)、膝のお皿の下を叩いた時に足がピョンとなるやつ(腱反射または伸張反射ともいう)
です。
これらは急に皮膚温が上がったり、急に腱(または筋肉)が伸ばされたりした事で、生体を守るために元々人間に備わっている機構です。
そして、この機構(反射)を鍛える事が出来るかは明確には分からないのですが、少なくても私はそういった知見を見たことがないです。
そして反射は鍛えられないと思っています。
何故なら、ほぼ感覚神経と運動神経の伝達速度のみで決まるためです。
この伝達速度は30代後半頃から衰えていくと言われており、加齢に伴い遅くなるという報告もあります。
あと、体温が上がるとこの神経伝達速度は上がります。
本件とは関係ありませんが、条件反射っていう言葉もあります。条件反射はこの図で言うと上の『通常の運動』になります。
例えば「ご馳走を見るとよだれが出る」みたいなやつですが、アレは視覚の情報が脳に送られて、『これはご馳走で美味しいものだ』と今までの記憶、経験から照らし合わせて脳から指令が出るという高次な機能です。
反射神経とは?
一般的に言われている反射神経とは脳を介して反応する動きの事です。上記の図で言うと上の『通常の運動』になります。
ボールが来たら反応して打つ、パンチが来たらかわす、ボタンが鳴ったら押す。
といったものです。
これらは生まれた時から人間に備わっている機構ではなく、経験によって身につけていくものです。
パンチがきたら危ないというのは殴られたら痛いと脳が認識して出来る事です。
俗にいうこの反射神経は鍛える事ができます。
それは脳の処理速度を上げるという方法です。詳しくはこっちに書きました。
視覚の情報は大脳の後頭葉という場所に送られます。情報が後頭葉から頭頂葉という場所に送られ、情報を過去の記憶と統合して運動野とか前頭葉に送り、運動の指令を脊髄に送るという流れになります。
つまり、ボールに反応するという事は視覚の情報を脳で処理しているという事になります。
ダラダラと長くなってしまいましたがここで終わります。
左足の動きは右脳、右足の動きは左脳が支配しているのですか?
はい、
大脳の右半球は左手足の感覚と運動を
左半球は右手足の感覚と運動を支配しています