運動強度と心拍数の目安(計算シートあり)

運動強度と心拍数は相関があり、心拍数はトレーニングの指標として簡易的で非常に有用です。

今回はカルボーネン法(別名:予備心拍数法)による計算シートを載せます。トレーニングの目安として使って下さい。

計算式は

目標心拍数=(220ー年齢ー安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数

となります。

安静時心拍数の測り方

一応書いておきますが、安静時心拍数(回/分)は安静に寝ている時の心拍数となります。測り方は橈骨動脈でとるのが一番簡単です。

1分の間に何回ドクドク鳴るかを数えるのですが、通常は15秒間も測れば十分です。15秒の間にドクドク鳴った数×4倍した数値を安静時心拍数とします。

心拍測定(橈骨動脈)

心拍測定(橈骨動脈)


運動強度の目安

運動強度は最大心拍数(220-年齢)を基準に%表示した数値の事で、100%が全力の運動という事になります。

例えば、40歳の場合は220-40=180回/分が最大心拍数となります。運動で140回/分まで心拍数が上がったとすると、その時の運動強度は

140/180×100≒78%となります。

一般的な目安を下表に示します。ただ、これはあまり運動をしていない一般の方の目安となります。

運動強度(%) 自覚的な強度 主な効果
50~60 リラックスした運動強度。運動しながら息を切らさずに会話を続ける事が出来る 基礎体力つくり、健康増進
60~70 快適な運動強度。会話するのがややキツイ 有酸素能力の向上
70~80 ややキツイ強度。会話を続けるのは困難。 有酸素能力の向上(ATトレーニングレベル)
80~90 非常にキツイ強度。会話が出来ない 無酸素性能力の向上
90~100 ほぼ全力。鍛えられたアスリートのトレーニングレベル 最大酸素摂取量(Vo2Max)の向上

※日頃トレーニングしているような人は70%でもややキツイとは感じません。日頃の運動により無酸素性作業閾値(AT値)が向上しているためです。その場合は優位な有酸素能力の向上は難しいので少し強度を上げる方が心肺機能という点で考えると良いトレーニングとなります。

※あと、80~90%で主な効果は無酸素性能力の向上と書いていますが、有酸素能力も向上します。というか強度が高い方が心肺機能、有酸素能力は向上します。

無酸素性作業閾値(AT)とATトレーニング

無酸素性作業閾値(AT)とは有酸素運動と無酸素運動の境目の運動強度の事を言います。

通常、筋肉を動かすには酸素が必要です。運動強度を上げていくと酸素の供給が追い付かなくなり無酸素運動に変わっていきます。この無酸素性運動になり始める強度をATと呼び、ATトレーニングはこの境目の閾値を上げるためのトレーニングとなります。

ATトレーニングのイメージ図

ATトレーニングのイメージ図

※図でLT(乳酸性作業閾値)なる値がありますが、ATと同義です。

マラソンなど持久力のトレーニングは、つまるところAT値の底上げです。

具体的な方法はAT付近の心拍数で運動を続ける事です。

じゃあ、今の自分のATはどの位なんだという事ですが、AT値を正確に測るには呼気ガスや血中の乳酸濃度など測定する必要があるため、自覚強度から推測する事になります。

私の感覚では『ちょっとキツイけど2時間は続けられる運動強度』で、その時の心拍数をATとしています。

一般的なAT値

運動習慣等によってこの%は異なるためあくまで目安という事になりますが、私が良く参考にする運動学の書籍によると一般的には75%程度がATの心拍数に相当するという事です。ネットでも色々値が出回っていますが、普通の人はおおよそ60~80%の間になります。

よく分からない方は計算シートに75の数値を入れた値をAT値の心拍数の目安としてください

2 件のコメント

  • 還暦ですが、実測の最大心拍数は180あります。計算上の心拍数とどちらを使うべきでしょうか。なお、強度110%心拍170は普段から使います。175になるとつらいです。

    • gkrsnama様

      コメントありがとうございます。

      質問の内容はおそらくですが、計算で最大心拍数は220-60(年齢)=160回/分が最大値のはず。なのに実測は180まで上がる。どっちを最大と考えれば良いの?という事だと捉えました。

      結論を言うと計算上の心拍数160回/分を最大強度の目安として使うべきだと考えます。

      実は、本気を出せばほとんどの方は一時的にこの計算上の最大心拍数を超えます(私も全力ランなら超えます)。
      ただ、出るからといって実測値を最大とした場合には目安とする対象(データ)がなくなってしまい、あまり意味のない数値となってしまいます。

      本記事の表にある運動強度60%が有酸素運動っていうのは、あくまで『220-年齢』を100%とした時の一般の方の目安です。
      これは書籍にも載っているような、多くのデータに基づいた統計上の目安です。
      だからこそ、『一般的に60歳で150~160回/分で運動を続けるのはかなり無理な話なんだな』、と分かる訳です。
      例えば、もし60歳で心拍数140(運動強度80%台)なら運動を全然続けれる。というのであれば、一般的な年齢基準からみると有酸素能力が相当高いという事が言えます。

      本記事のATトレーニングの箇所で記載したように、日頃の運動経験等によって有酸素と無酸素の閾値(AT)が変わってくるため、この辺は個人差が大きいとは思います。
      60歳でも生活習慣や運動習慣により実年齢よりも身体が若い方は大勢いると思います。gkrsnama様もおそらくその一人なのでしょう。
      というか心拍170を普段から使っているというのはフィジカルモンスターな気もします。くれぐれも無理はなさらないようにお願いします。

      追伸
      私は最近なまけていてタイムを追っていないため、170超えると持ちません。ゆったりと、細く長くランニングを続けていきます。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。