有酸素運動の種類や時間、強度についての疑問に答える

有酸素運動の種類や時間、強度について

有酸素運動は身体に良いと言いますが、どういう運動がおススメなのか、また、どれ位の強度や時間が良いのかという事に疑問を持っている方向けの記事になります。

健康と痩せるという観点から書いています。この記事が疑問を解決する糸口になれば幸いです。

 

目次

有酸素運動と無酸素運動

運動には有酸素運動と無酸素運動があります。

通常、筋肉を動かすためには酸素が必要になるんですが、短時間に多くの筋肉を使う場合には酸素の供給が追い付かなくなります。その時の運動を無酸素運動と言います。逆に、酸素の供給が追い付いている強度の運動を有酸素運動と言います。

無酸素運動の場合には、筋肉内に蓄えられた糖(グリコーゲン)をエネルギーとして使いますが、筋肉内に貯めておける糖は少なく、全力で使えばものの数秒しか持ちません。諸説ありますが、100mの短距離選手であっても、本当の無酸素運動で走れる時間は5~7秒程度と少ない時間です。

※無酸素運動で筋肉内の糖が少なくなると、肝臓に蓄えられた糖が筋肉に補充するように出来ています。

実は世の中のスポーツほとんどは有酸素運動と無酸素運動が組み合わさっています。競技性の高いものであれば無酸素運動にならざるを得なくなります。集団で行うスポーツはほとんどの場合当てはまります(サッカーやバスケなど)。

そのため有酸素運動だけをしたいという場合には個人で出来る運動がおすすめです。

 

 


有酸素運動の種類

継続出来るなら種類は何でも良いと思いますが、全身使う運動がおススメです。筋肉は使った箇所の血流が上がり易いため、可能なら全身まんべんなく使う方が良いです。個人で出来る有酸素運動を書くと

・ストレッチ ⇒ 強度は低いですが、ちゃんとやれば汗をかく程度の運動になります。

・ヨガ ⇒ 本気のやつは未体験。有酸素運動という観点ではストレッチ+α といったところ。何やら危険なポーズもあるためやっていない

・ピラティス ⇒ 機能的に体幹を使うためのエクササイズで、筋トレ的な要素あり。負荷量は高い

・太極拳 ⇒ 未体験ゾーン。

・ウォーキング  ⇒ 晴れた日は最高。気分転換に良い。ジョギングと合わせて行うのがおススメ

ランニング(ジョギング) ⇒ 全身運動で負荷もそこそこ高い。おススメ

・サイクリング(エアロバイク含む)⇒ 下半身、特に太ももの前側を中心に鍛えられる。運動効果は高い

・エアロビクス ⇒ ジムのやつはやっている。結構楽しい

・ダンス(ものによりますが) ⇒ 楽しい。テクニック中心になりがち

・ラジオ体操 ⇒ しっかりやれば良い運動になる。ただ、時間が短いため負荷量としては低い

 

思いつく限りはこんな感じですが、基本的に楽しく続けば何でも良いと思います。

 

運動はいつやるのが良いのか

諸説ありますが、いつやるかというのはあまり重要ではありません。いつやっても効果に差はほとんどないです。

結構前から現在に至るまで調べていますが、現時点ではハッキリした結論が出ていません。今後研究が進んでさらなる見解が出てくるのでしょうが、現時点では、いつ運動してもほとんど変わらない程度の差だという事です。

だから、気分や空き時間に合わせて運動するのが良いです。

 

空腹時の運動

ただ、健康のためには空腹時の運動は控えた方が良いです。エネルギーである糖質が少なくなっているため身体に力が入らずにヘロヘロになりやすいからです。

空腹時は糖質が少ないため脂質をエネルギーとして多く使うためダイエットとしては有効という話も見かけますが、そんな事はありません。確かに空腹時は脂質をエネルギーとして使い易いですが、糖質をエネルギーとしても、脂質をエネルギーとしてもダイエット効果は変わりません。余分な糖質は脂質に変わり体内に蓄積されるからです。結局同じこと。

 

食後の運動

食後の高血糖を抑えるためには食後30~1時間が良いと言われています。ただ、食べる物によりますが通常は消化に3時間程度はかかるため、胃に物が入った状態で運動する事になります。食後1時間後の運動ならウォーキング程度の軽いものが良いでしょう。

食後は副交感神経が優位になり、胃や腸などの消化器に血流が多く流れて食べ物を消化しようとします。ここで運動をすると、交感神経が活発になり、骨格筋に血流が流れるようになります。そして、消化のために胃や腸に流れる血流が少なくなるため消化しにくくなります。

 

 

これらの話は食事量や空腹の度合いによって変わってきますが、極端にお腹が空いていたり、胃に物が入っているような状態でなければ良いと考えます。

適度な有酸素運動は自律神経の働きを整えてくれます。一時的に交感神経が活発になりますが、落ち着いた時に副交感神経が働くようになります。そのため個人的には就寝の数時間前が一番良いと考えています。ただ、仕事後わった夕方くらいが良いというのはあくまで体感的な話なので、早朝の方が気分よく運動出来るという方は早朝に運動した方が良いと思います。

 

 

運動はどれ位やったら良いのか

良く有酸素運動は20分以上の方が痩せるという話がありますが、それはデマです。10分×6回でも60分×1回でも強度が同じなら消費カロリーは一緒です。

無理して40分、50分続けるよりも、20分でも気持ちよく終われるなら健康面やダイエット面では後者の方が断然有用です。

続ける事の方が遥かに重要だからです。

参考:有酸素運動を20分以上続けないと脂肪燃焼しないは言い過ぎ:

 

だから、特にどれ位やったら良いという指標はありません、気分良く出来る範囲でやったら良いと思います。

 

運動の強度は

日々運動しているような人は、激しい運動でも有酸素運動として処理できるように心肺機能や循環機能が発達しており、無酸素運動となる運動強度が異なります。

一般の健常者では55~60%VO2Maxであるのに対し、よくトレーニングされたスポーツ選手になると80%VO2Maxにもなると言われている。
※VO2Maxは運動強度の事です。60%VO2Maxとは、最大運動強度の60%程度の事です。

運動療法学 総論 p245:奈良 勲,(株)医学書院.

 

健康のために有酸素運動をするなら

普段運動していない人が無酸素運動にならない程度に運動するには、最大運動強度の60%程度という事になります。

自覚的には心拍数が分かり易いです。

一般的には100~130回/分 程度、もしくは話しながら続けられる運動強度です。

 

記録を狙う、高いダイエット効果を狙うなら

上記のような話しながら続けられる運動強度でも心肺機能向上や痩せる効果はあり、健康目的なら上記の運動強度がおススメです。

ただ、大会で記録を狙っていたり、より高いダイエット効果を狙うなら、やや強度が足りません。

まず、心肺機能を向上させるためには、時折息が上がるくらいの運動強度も入れた方が断然効率は良いです。

また、運動強度が上がると脂肪燃焼しにくくてダイエット効果が下がるって言う人がいますが、全くのデマです。同じ時間続けるなら運動強度が高い方が消費カロリーは大きいです。確かに運動強度が上がると、脂肪より糖の方が消費する割合が多くなりますが、余った糖は脂肪に変わって体内に蓄積されるため、結局は同じ事です。消費カロリーが大きい方が痩せます。

 

いずれにしても継続できないと意味がないので、続けられる範囲の強度が良いと思います。

 

おわりに

運動は続けてこそ意味があります。強度や時間によって効果は違ってきますが、続ける事が前提です。有酸素運動は直ぐに結果を求めるものではないです。目に見えて結果や効果が出るのは大分先の話になります。日常生活の中に習慣として組み込まれていって、忘れた頃に効果が出てくるものです。

だから、他人がどう言おうとも楽しく続けられる運動を選択してください。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。