運動神経が悪いのは何故かという疑問ですが、私なりの解釈や良くある特徴、改善方法を書いていきます。
まず、解剖学や運動学などで出てくる運動神経という言葉の意味と、私たちが一般的にイメージする運動神経とは意味が違うので、
ここでは運動神経を身体を動かすコツとします。
そして身体を動かすコツとは脳がどれだけ身体の動かし方(筋肉の選択、動かす順番、強さ)のパターンを記憶(自動化)しているかです。
目次
運動神経は脳が自動化している運動パターンの多さで決まる
ダンスなど、やった事のない動きをすぐにマネ出来ないのは理解できると思います。
マネしようと思ってもどこにどう力を入れて良いか分からないからです。
ここで、動きが出来ていないのに曲のスピードについていこうとすると、今まで自分が経験してきた(自動化されている)動きのパターンを組み合わせて成立させようとします。言わば代償動作で何とかしようとします。
ダンスに限った話ではないですが、クセのある動きは個々人の持っている自動化された、あるいは得意な運動パターンの組み合わせで出来上がるものです。
12歳くらいまでの幼少期に色々な遊びをしておいた方が良いというのは、脳の運動回路の発達が盛んな時期に、出来るだけ多くの運動パターンを経験させた方が後のスポーツで要領よく成長できるからという事です。
つまり、色々な動きの自動化パターンを脳に記憶させる事で運動神経は上がります。
運動神経を鍛えるには時間が掛かる
が、子供ならともかく大人は時間が掛かり過ぎてしまうため、特定の動きを反復練習する方が効率は良いと思います。
クセがあっても特定の動きを反復練習する事で、その動きに必要な脳の回路が強化され筋力や持久力など(運動能力や基礎体力など)は上がるので、球技や陸上でのパフォーマンスは上がります。
運動神経が極端に悪い場合はどうするか?
ただ、多少クセがあっても何ら問題はないと思うのですが、極端に運動パターンが少なかったり、極端に非効率的な動きをしている状態だとパフォーマンスを向上させる上で問題になります。
同じだけ練習しても目に見えて差が出てしまう事はよくあります。
運動が極端に苦手な人が、急に良くなるという事はほぼ無理だと思いますが、時間をかけて現状を改善する方法ならあります。
全ての人に当てはまる訳ではないですが、動きの悪い人のよくある特徴を一つ書いておきます。
運動神経が悪い人の特徴ー末梢から運動を開始している事が多い
走り方が変とか、手投げになっているとか、ロボットみたいな固い動きになっているとか。
こういう動きがぎこちない場合は、手先など末梢の力を起点に運動している事が多いです。
手投げを例にとると、ボールを遠くに飛ばそうとして肘より先の力で投げようとしますが、力が小さいので遠くに飛ばす事が出来ないです。
ボールを遠くに飛ばすためには中枢部を起点にして抹消部に力を伝える必要があります。
肩を後ろに引いて大胸筋の力を使って勢いよく腕を振ります。さらにいうと、地面からの反発力を股関節で受けて、その力を体幹、肩、肘と伝えていきます。
ここで大切な事はボールに近い部分(末梢)は、ほどよく脱力をする事です。脱力できないと中枢から伝わってきた力がロスするからです。
中枢部を運動の起点にする利点は
- 股関節など大きい力が使える
- 運動連鎖によって慣性(勢い)の力を使える
この2点です。
上手な人は脱力が出来ている
運動が上手な人は程よく脱力が出来ています。
脱力する事で慣性(勢い)の力を手先まで伝える事が出来るからです。
慣性力を使う事がスポーツには必要だと経験上知っています。
改善方法
まずは知る事です。運動の上手な人は
- 末梢の力を使わずに、中枢部の力を運動の起点にしている事
- 中枢部で起こした力を脱力して抹消に伝えるという事
この2点を知って下さい。ほとんどの運動に当てはまると思います。
で、肝心の改善方法ですが反復練習しかないです。
結局それかよと思うかもしれませんが、上記2点を意識した上で反復練習すると質が変わります。
ただ、時間にしてコンマ数秒の世界なので上手く出来ているかどうかの判別は難しいです。目安は鏡やビデオなどで確認して『動きがぎこちないかどうか』で判断した方が現実的と思います。
それと、ある程度中枢部(体幹や股関節、肩甲骨周囲)の可動性や筋力も必要になりますので、足りない方は個別のトレーニングも必要です。
以上です
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