反射神経は鍛える事ができるのか?

反射神経は鍛える事ができるのか

 

反射神経が良いっていうと何か飛んでくるものに対して素早く反応したり、バランス崩しそうになった時に俊敏に体勢を立て直したりする事を思い浮かべると思います。

いまいちはっきりしないと思うので、反射神経ってなに?どう鍛えるの?という事を脳のはたらきから説明します。

参考:反射神経をわかりやすく説明します

目次

反射神経ってなんですか?

反射神経という神経は解剖学や生理学には存在しません。

一般的には感覚情報を脳が受けて実際に身体が反応するまでの速さという意味合いで使われます

身体や脳内で起こっている事

例としてテニスを挙げますが、相手が打ったボールに反応して動き出すまでの流れです。

  1. 相手が打つ構えをしてボールがどの辺りに飛んできそうだと予測する
  2. 相手がボールを打った瞬間の目で見た情報が脳に伝わる
  3. 視覚の情報(相手の打ち方、ボールのスピード、弾道、距離、コートの滑り具合など)を総合的に判断して適切な運動イメージをつくる
  4. 運動イメージ通りに動くためにどの筋肉をどの順番で、どれ位の強さで動かせばよいか選択される
  5. 脳から出た電気信号が脊髄を通って手足に伝わる
  6. 筋肉が収縮して動き始める

 

かなり省略して書きましたが大まかにこんな流れで運動がおこります。

今回は視覚から反応する事について書いてますが、感覚の情報から運動を起こすまでは上記1~6までの流れです。音を聞いて動きだすという流れも同様です。

※感覚とは視覚、味覚、聴覚、温痛覚、並行感覚、体性感覚(自分の関節の曲がり具合など)です。


反射神経の速さを決める要因

以上の事から反射神経の速さは、

  1. 視覚などの情報を感覚神経を通って脳に運ぶ速さ
  2. 運動イメージなど脳の処理速度
  3. 脳から運動神経を通って手足まで通る信号の速さ
  4. 筋肉の収縮速度、パワー

 

によって決まります。

4についてはゲームなど細かい動作の時は影響が少ないと思いますが、一般的な運動においては大切です。

そして、2と4は鍛えて速くする事は出来ますが、1と3については出来ません。

※トレーニングによって感覚、運動神経の情報伝達の速さが上がるという報告や書籍を全く見つけられなかったためです(私の知識不足かもしれませんが)。

 

反射神経は年齢によって衰えるのか?

衰えます。それは

上記1と3の感覚神経、運動神経の情報伝達の速さが加齢によって低下するためです。

※感覚神経+運動神経=末梢神経と呼びます。

抹消神経の情報伝達の速さは平均的に加齢で衰えるという報告が上がっています。

余談ですが末梢神経は皮膚の温度が1度上がるごとに伝達速度が約2m/sec速くなります。

 

 

反射神経を鍛える事は出来るのか?

出来ます

上記1と3の速さは変わらないとしても、脳内での処理速度の速さ、筋肉の収縮速度やパワーを鍛える事が出来るからです。

反射神経の鍛え方

動作の反復練習

動作を反復練習する事で運動が自動化されます。

つまり、運動をイメージするところから、どの筋肉をどの位の強さでどのタイミングで動かすかという過程や細かい運動の調整が速くなります。

車の運転とか、階段の上り下りとか、普段何気なくおこなっている動作は自動化されているので瞬間的にパッと動けます。

ダンスで難しい動きとか普段やっていない動作は膨大な練習量をこなさないと瞬間的に出来ません。

 

予測するというスキル

またテニスの例になりますが、自分の打った球の速さやコース、相手の構えから返ってくるボールをあらかじめ予測する事で、脳内での運動をイメージするまでの速さが上がります。

これは感覚から得た情報(視覚や聴覚など)を総合的に判断する過程が速くなるためです。

今まで繰り返し経験してきた過程は脳内で瞬時にイメージ⇒運動とつながります。

集中して見る

要はボールを打ってくる人に集中する事です。

イメージして欲しいんですが、自分の周りにチョロチョロ人が動いている事や近くで音がする事を考えて下さい。ぶつかるんじゃないかと気になると思います。

余計な情報が脳に入ると処理する事が増えるんです。判断に余計な手間が入ってしまうんです。

集中する事です。

ただ、何が必要な情報か判断する事は競技や場面によって結構違うと思うので、この点については経験しかないと思います。

筋肉の収縮速度、パワー

実際に運動を起こすのは手足や体幹なので、瞬間的に大きなパワーを出せる事が重要になります。

瞬間的に大きなパワーを出すのは速筋となります。

速筋は遅筋と比べると加齢に伴い減少しやすい筋肉ですが、高齢になっても鍛える事が出来ます。

実践する上での注意点

何かを批判するわけではありませんが、光ったらボタン押したり、音が鳴ったらボタン押すようなトレーニングはあまり意味がないと考えています。

脳の運動学習によって、『光った瞬間に指が反応する速度は上がる』と思いますが、実生活での恩恵は微妙だと思います。

テニスでボールに対して速く反応する事を考えるなら、実際に打ってきたボールに速く反応する、もしくは動画などで打つ瞬間をみるなど実際の場面に近い方が間違いなく効率が良いです。

 

余談ですが速読などで目を動かす筋肉を鍛えるというのは良いのかもしれません。

素早く筋肉を使う事や文字を素早く認識する事で、動くものを正確にとらえる能力は上がりそうな気がします。

ただ、これはあくまで想像で何の根拠もありませんが。

 

まとめ

  • 反射神経とは感覚情報を受けて実際に反応するまでの速さの事
  • 反射神経は感覚神経や運動神経の情報伝達の速さ、運動イメージなど脳の処理速度、筋肉の収縮速度、パワーなどで決まる
  • 加齢によって衰える
  • トレーニングで脳の処理速度や筋肉の収縮速度は鍛える事が出来る

という事です。

 

参考:反射神経をわかりやすく説明します

 

 

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日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。