身体の内側にあって深層筋とも呼ばれるインナーマッスルと
体の表面から触れる浅層筋とも呼ばれるアウターマッスル。
この2つの違いや動作時の機能などをまとめてみました。
目次
定義
実は医学的にインナーマッスルとアウターマッスルの定義はありません。造語みたいなもんです。
どこからインナーでどこからアウターかっていうのは区別できません。
ただ、基本的には皮膚の上から触れる筋肉の事をアウターマッスルと呼ぶ事が多いです。
例えば肩でいうと、外側から触れる三角筋がアウターマッスルで、その内側にある腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)をインナーマッスルと呼んでいます。
役割
アウターマッスルは関節を動かす筋肉です。長い筋肉や大きい筋肉が多いため、瞬間的に大きな力を発揮できます。重いものを持つなど大きな力を発揮する時に活躍するイメージです。そのため遅筋よりも速筋繊維の割合が多くなります。
対して、インナーマッスルは関節の動きを正常に保ちます(肩が外れないように抑えるなど)。関節を保護する役割が強く、姿勢保持をする時に働く筋肉というイメージです。長時間にわたって働く事が多いため遅筋繊維が多くなっています。
動作時の役割
実際に動く時のはたらきを説明します。腰と肩の例でいきます。
腰の例
腰を反る例を書きます。
インナーマッスルとアウターマッスル両方が働いている場合、下図のように5つの腰椎がそれぞれ少しずづ反ります。
横から見た図。肌色がインナーマッスルで、緑色がアウターマッスルです。
インナーマッスルがはたらくから腰椎の1つ1つがまんべんなく動きますが、インナーマッスルがはたらかない場合、下図のようになります。
主に腰椎4/5番の屈伸運動によって動く事になり、腰椎の4番と5番に負荷が集中します。
傍目には同じくらいの屈伸運動に見えても、身体の中では1部分しか動いていないのと、腰椎全体がまんべんなく動くのではどちらが身体に悪いかはすぐわかると思います。
このブログでも体幹のインナーマッスルトレーニングの紹介をしましたが、サイドブリッジなどでインナーマッスルを固めるトレーニングだけでは動く時には反映しにくいです。
もちろん固める事も大切ですが、腰椎を1つづつ動かせる事も大切になります。
サイドブリッジの例で言えば、キープの姿勢をとる前に腰椎を1つづつ上げる意識を持つなど工夫が必要です。
肩の例
肩の場合は腱板と呼ばれる4つのインナーマッスルが働きます(棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋)。
手を上に上げる時はアウターマッスル(ここでは三角筋とします)の動きによっておこなわれますが、腱板のはたらきによって肩関節は正常な位置に保たれています。
後ろから見た図です。横に手を上げた時のイメージです。
肌色っぽいのはインナーマッスルで、緑色はアウターマッスルです。
図が汚いのは許して下さい。これが限界です。
インナーマッスル(腱板)が働いている時は上腕骨が肩甲骨に引っぱられるので関節は安定します。
ここでインナーマッスルの腱板が働かない時は次のようになります。
上腕が肩甲骨から外れる方向に力が掛かってしまうという訳です。
インナーマッスル、アウターマッスルの働く順番
腰と肩の例でイメージしてくれたらありがたいのですが、動く時、力を入れる時はインナーマッスルから働きます。
歩くなど軽い負荷の場合は、あまりアウターマッスルが活躍する事はないのですが、負荷が大きい場合(俊敏に動く、重いものを持つなど)、
まずインナーマッスルが働いて関節を安定させてからアウターマッスルが働きます。時間にしてほんの一瞬ですが、この順番が大切です。
もしインナーマッスルの収縮が遅かったり、収縮しない場合には関節に過大な負荷が掛かります。
トレーニングの順番
インナーマッスルとアウターマッスルのどちらを先にトレーニングするべきかという事について、現在は明確な指針がありません。
だから以下の内容は私個人の意見になります。
この記事に目を通してくれた方はピンとくると思いますが、アウターマッスルを働かせる時はインナーマッスルを先に収縮させる必要があります。
つまりインナー⇒アウターの順番をおススメします。
ただ、あまり難しく考える必要はなく、ジムなどで高負荷のトレーニングをする場合、ウォーミングアップとして同じ動作を超軽い負荷で1セット行うだけです。
その動作に必要なインナーマッスルを先に動かしておくという事です。
その後に高負荷のトレーニングをすると、アウターとインナーの両方が働きやすいという理屈です。
全力ダッシュなどでもいきなり走ったりしませんよね。軽いウォーミングアップしてから走りますよね。それと一緒です。
という訳で誰の役に立つか分からない記事ですが終わりにします。
疲れない身体を目指すなら自重トレで十分だと思います。
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