競技前はウォーミングアップが必要と言われますが、理由の1つに筋肉の温度(以下筋温)が上がる事が挙げられます。
他には呼吸、循環器系、中枢神経系の機能が一時的に上がる事が分かっていますが、今回は筋温の話が中心となります。
筋肉がはたらくと関節を守ってくれます。速く、強く動こうとした時にしっかり筋肉が働いてくれるとケガの予防につながります。
目次
筋温とパフォーマンス
筋肉が最も大きな力を発揮出来るのは38℃~39℃と言われています。身体が温まると筋肉が収縮する力も上がって柔軟性も上がります。
筋温が1℃上がるとエネルギー利用効率が13%上がると言われています。これは糖や脂肪など消費エネルギー量が同じでも大きな力が発揮できるようになるという事です。
とあるトレーニングジャーナルの報告によると大体15分くらい(10~20分)のジョギングで38℃まで上がるそうな。それ以上に上げようとすると簡単ではなく、逆に疲労しすぎてしまうのだとか。
そして細胞が42℃を超えると体内の酵素系の障害が起きます。熱を持ちすぎるのも良くないという訳です。ただ、普通に運動する分には超える事はないと思われます。その前に何らかの異変を感じる事かと。
体温の分布
人の体内(脳、心臓、肺、胃など)の温度は37℃と高いのですが、中心部から離れるほど体温は下がり外気温の影響を受けます。
外気温が20℃の場合、脇の下は36℃~37℃で、腕は32℃、指先28℃くらい、太もも34℃、すねが31℃というように末端にいくほど低温になります。
そのためウォーミングアップは末端の血流を上げるように意識する事が必要になります。
効果的なウォーミングアップ(自論)
諸説ありますが、まず軽いジョギング(15分くらい)など全身的な有酸素運動で身体全体を温めます。それから動的ストレッチで手足の関節を大きく動かしながら筋肉を伸ばします。
動的ストレッチは競技特性によって重点を置く場所が変わりますが、一般的には競技でよく使う筋肉とその関節を重点的におこなっていきます。
動的ストレッチの回数に決まりはありませんが、リラックスした状態で10回程度もおこなえば十分だと思います。
動かなくても筋肉を温めればよくないか?
筋温が上がるだけで収縮力は上がるため、ウォーミングアップとして暖房の前にずっと居るだけで良さそうな気もしますが、呼吸器、循環器、神経系に対してのウォーミングアップにはならないため動かずに温めるのは✖です。
実際に動いて筋温を温めた場合と、動かずにただ温めている場合では、動いた方が良いパフォーマンスが出せるという報告もあります。
ランニングのウォーミングアップ(自分の場合)
私はランニングをしていますが、走る事そのものがウォーミングアップみたいなものなので、ぶっちゃけ必要ない気はします。そのためゆっくり走る時は走る前に軽く動的ストレッチ(股関節や足首、背中や肩を動かす)するだけです。けが予防のためです。
ちょっとタイムを意識する時は、最初の1kmはゆっくり走ります。途中で歩きながら下半身と体幹を伸ばしていきます。それからタイムを測っています。
ウォーミングアップの効果の持続時間
参考までにウォーミングアップの効果の持続時間を載せておきます。
- 筋温・・45分~90分(1946年)
- 中枢神経系・・30分~45分(1964年)
- 呼吸循環系・・5分~10分(1980年)
筋温はウォーミングアップ後はしばらく持ちそうですが、呼吸循環系は長持ちしなそうです。
マラソン大会では直前まで身体を動かすのが良いと某ランナーが言っていましたが、呼吸循環器系の影響が大きいからなんでしょうね
参考までに
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