中殿筋の鍛え方を6つ紹介します。

バランスは中殿筋でとる

立った姿勢でバランスをとる際には脳を含めて全身が働いています。

今回は股関節や骨盤の安定に大きくかかわる中殿筋の役割や鍛え方について紹介します。

目次

中殿筋の場所

中殿筋はお尻の横の方に付いている筋肉です。

中殿筋

中殿筋、後ろから

大腿骨の大転子と骨盤(腸骨)に付いている筋肉で、足を真横に振り上げる(股関節の外転)動作で力を発揮します。

自分のお尻をガシッと掴むと弾力が感じられると思います。それは大殿筋といって、お尻全体を大きく覆っている筋肉です。中殿筋は大殿筋の内側についている筋肉となり、体表からは一部しか触る事が出来ません


中殿筋の役割

この中殿筋は立った姿勢を保持するのにとても大切な役割を果たします。

立った姿勢を保持するのに体幹のインナーマッスルが大切と言われますが、そもそも体幹より下部の股関節や膝関節、足関節が安定していないと体幹も力を発揮出来ません。

そして中殿筋は股関節の安定(特に横方向)に関与しています

股関節の内転筋群と協力して左右方向のバランスをとっています

片足立ちになった時に、真っすぐ立てる人は中殿筋がしっかり働いているといえますが、バランス保てるけど下図のように真っすぐ立てないという時は中殿筋の弱化、もしくは機能していない可能性が高いです。

デュシャンヌ様の立ち方

デュシャンヌ様の立ち方

トレンデレン様の立ち方

トレンデレン様の立ち方

また、歩く時にもこの図のように反動で上半身を左右に振ったり、お尻が横に突き出るような傾向のある人は要注意です。中殿筋が使えていない可能性があります。

補足※中殿筋が上手く使えると左右方向へのバランスが良くなり、結果として歩幅が増えるという利点もあります。

中殿筋は使えないとダメなのか

人が立ってバランスをとる時は、支持面(床と接している部分)の中に重心がおさまっている必要があります。片足立ちの場合は、自分の重心が立っている足の延長上にあれば良いという事になります。

仮に筋肉が働いていなくても、重心が支持面の延長上にあればバランスを保つ事が出来るのですが、その場合は関節への負担が増えたり不良姿勢に繋がります。

上図の片足立ちの場合のように上半身を左右に傾ける事で支持面(足底の延長上)の中に重心をおさめれば中殿筋が機能していなくても バランスはとっていられます。

ただ、股関節より上の部分ではバランスをとるために局所的に筋肉が過剰に働いたり関節への負担が増えたりします。また、股関節にも負担が増えています(筋肉は関節を守る働きもあるからです)。そのため長期的に考えるとマイナス面が多いです。

まとめると、ただ片足で立てているから良いという訳ではなく、真っすぐ立てて姿勢を保てているかという事を意識してバランスをとる事が大切という事です。

中殿筋の鍛え方

中殿筋の鍛え方と書いていますが、中殿筋単独で鍛えるというのは難しく、体幹や太ももなども一緒に鍛える事になります

ただ、日常生活など、実際の動作では中殿筋のみが働くという事はないため、結局体幹や太ももなどと一緒に鍛えた方が実生活に直ぐに反映出来て効率は良いです。

1つ注意点として、お尻の横に力が入っているという事を感じ取って下さい。トレーニングの際はここを中心に鍛えるんだという意識が何より大切です。

横向に寝て上の方の足を天井に向けて上げる

難易度は低め。

横向きで足を上に上げるだけ。

注意点としては、つま先と足を天井に向けない事です。

体力の低い方はこういった練習から入りますが、この練習だけだと実生活には反映しにくいため、可能なら片足立ちから始めてみて下さい。なんせ場所問わずに出来るからおすすめです。

ヒップアブダクション

マシンでの筋トレ。中殿筋のほかにも大腿筋膜張筋なども鍛えられる。負荷量調整が出来るので本格派向け。

座って両足を横に開くやつです。

ジム行くのが面倒な人はマシンの代わりに椅子に座った状態で、ゴムバンドや布を膝のやや上に巻いて両足を横に開くことで同じように鍛える事も可能。ただし負荷量の調整が難しい。

片足立ち

これはそのままです。上の方にも書きましたが真っすぐ立てているかという事を意識して下さい。

姿勢を正して身体の軸を上に伸ばすようなイメージです。お尻の横にしっかりと力が入っているか触って確認してみて下さい。

慣れてきたら浮かしている足を動かしてバランスをとる練習もやってみて下さい(股関節から動かす)。その際も姿勢は崩さずに。

さらに鍛えたい方は上体を前に倒して腰を落としていきます。いわゆるランジと呼ばれる動きです。これが多分自重トレでは最強だと思われます。これでハムストや大殿筋の上部繊維もいけますんで。

こんな感じ

ランジ(中殿筋)

ランジ(中殿筋)

これを入れると足を開くように(股関節の外転、外旋に)意識したスクワットも入るんですが、長くなるので別途記事を作成しました

参考:お尻の筋肉をつけるスクワット

サイドブリッジ

外腹斜筋や内腹斜筋を鍛えるならサイドブリッジという体幹トレーニング

サイドステップ

サイドステップのポイントは膝やつま先を進行方向に向けないという事です。文字通り真横に移動します。

これだけだと簡単と思う方は常に腰を落とし目線を一定の高さにしてサイドステップをやってみて下さい。太ももにもかなり効きます。常に膝を曲げておくことで、休みなく筋肉を活動させて一時的に血流制限をおこすため速筋繊維も活動させるという効果があります。

回数や時間に制限はありません。ちょっと疲れるまでやりましょう。

大股で歩く(または走る)

単純にして明快です。

股関節を大きく使うように歩きます。

すると左右へのバランスをとるため中殿筋と股関節の内転筋群もはたらきます。

腸腰筋も活動します。

あくまで上半身がふらつかない程度にお願いします。

まとめ

  • 中殿筋は立ってバランスをとるためには重要(特に左右方向)
  • 中殿筋が働かなくてもバランスを保つ事は出来るが、局所的な関節への負担が増えたり、不良姿勢になるので長期的にはマイナス
  • トレーニングはどこを鍛えているか意識する事が重要
  • 各種スポーツでも姿勢のコントロールは大切なので中殿筋は大切です

以上です。

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    日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。