一般的に、筋トレは高負荷を扱うものだと思われていますが、低負荷でも多い回数行う事で筋肥大は起きます。
これは筋肉博士の石井直方教授(本も何冊か持っている)がこれまで研究してきたデータに基づいて言っているので間違いない事実です。
目次
低負荷での筋トレの考え方
- 筋肥大には速筋繊維を動員する事が必要
- 筋肉を疲労困憊まで追い込めば筋肉が酸素不足になり、遅筋の代わりに速筋が動員されるようになる(遅筋の動員には酸素が必要)
- 低負荷でも多い回数行えば速筋繊維が働き筋肥大は起きる
この疲労困憊というのがポイントで、やってみたらわかるが超ツライ。
石井教授の研究によると最大筋力の30%という低負荷であっても、限界まで回数を繰り返せば筋肥大は起きるという事を実験で証明したそうな。
方法は、最大の30%の低負荷の重量を用いて、筋疲労して上げれなくなるまで繰り返し、3分休憩した後に再び限界まで繰り返す。これを4セット行うという超ハードトレーニングです。週3回×6週間で高強度の筋トレと同程度の筋肥大をしたとか。
ちなみに最大筋力の30%は連続で50~60回程繰り返す事が出来る負荷量ですが、4セット目になると疲労で10回程度までしか出来ないらしいです。
以下の表を参考に見てください。この表は負荷と連続で繰り返しできる回数を表しており、続けて10回しか出来ないなら、その時の負荷量は最大筋力の80%程度という事を示しています。
負荷(%) | 最大反復回数 | 一般的に言われている効果 |
100 | 1~2回 | 神経+筋肥大 |
90 | 3~5回 | |
85 | 6~8回 | 筋肥大 |
80 | 8~10回 | |
75 | 10~12回 | |
70 | 13~15回 | |
50 | 20~30回 | 筋持久力 |
35 | 50~60回 |
参考 運動療法学 総論 第3版、奈良 勲(監修):㈱医学書院,2010.
高負荷×低頻度と低負荷×高頻度はどっちが良いの?
まだ研究段階のようで、現段階ではどちらが筋肥大を起こすために効率が良いかという事は結論が出ていないという事です。
ハッキリとした結論が出ていないため、この辺は個々の考え方でトレーニングを進めて良いと思います。
・・が、参考までに私の考えを以下に書きます。
高負荷×低頻度と低負荷×高頻度に対する考察
私は筋肥大を狙うなら高負荷×低頻度で、運動でのパフォーマンスアップに繋げるなら低負荷×高頻度が良いと考えます。
まず聞いて欲しいのが、低負荷×高頻度は怪我のリスクは少ないが決して楽ではないという事です。そして高負荷でのトレーニングは短時間で済むため筋肥大を狙うなら高負荷(75%程度×10回)というセットを取り入れる事です。
ちなみに高負荷×低頻度と言っても少なすぎる回数では筋肥大の効果は見込めないです。筋肥大には容量という概念が大事で、容量=負荷量×回数となります。高負荷ではどの位が良いかというと
成長ホルモンは100%1RMを1回上げてもあまり分泌されませんが、80%1RM×8回×3セットというトレーニングを行うと分泌が高まります。
強い力を出す事とトレーニングのボリュームを増やす事とがちょうどマッチしたところが、70~80%1RM程度と考えられる
※1RMとは最大筋力の事です
日経Gooday 筋肉博士石井直方のやさしい筋肉学 第57回 2017/9/13
という事で、やはり最大の70~80%の負荷で10回前後を行うのが良いそうです。出来るなら3セット。
ただ、一方で低負荷×高頻度は遅筋を疲労させるまで追い込むので筋肥大+筋持久力を鍛える効果は高いです。サッカーやバスケ、テニスなど大体のスポーツにおいては筋持久力が重要になり、瞬間的に高い能力が発揮出来ても持続しなければあまり意味がないです。
つまり運動でのパフォーマンスアップに繋げるなら筋肥大+筋持久力の低負荷×高頻度が良いと考えます。
でも低負荷だろうが高負荷だろうがキツイ事に変わりはありません。
まとめ
- 低負荷でも疲労困憊まで追い込めば速筋繊維を動員でき筋肥大できる
- 高負荷×低頻度か低負荷×高頻度かどちらが筋肥大を起こすのに効果的かは結論が出ていない
- そのためトレーニングは各人の判断で
- 個人的には筋肥大なら高負荷×低頻度、運動パフォーマンスを考えるなら低負荷×高頻度が良い
- 低負荷でも高負荷でも強くするためには自分を追い込まねばいけない
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