肩周囲のインナーマッスルでも腱板(ローテーターカフ)と呼ばれる筋肉に焦点を当てて説明していきます。
トレーニングというとムキムキに強くするイメージがありますが、インナーマッスルのトレーニングは違います。
腱板トレーニング単体で『速いボールを投げる』、『強いサーブを打つ』事を達成するのではありません。
むしろ股関節や体幹の力で腕を速く振ったときに肩関節を守るためにおこなうトレーニングです。
肩が正常な円運動から逸脱しないようにするためのものです。
そのため、肩を動かす時に腱板筋が適切に(タイミングや強度など)働くように脳に憶えさせる事が主目的のトレーニングと言えます。
腱板のストレッチはこちらの記事になります。興味あったら見て下さい
関連記事:肩のインナーマッスル(腱板)のストレッチ方法を紹介します
目次
腱板の役割
腱板は4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)で構成されており、肩関節を内と外にねじる作用があります。
- 外にねじるー棘上筋、棘下筋、小円筋
- 内にねじるー肩甲下筋
しかし力は弱く、主な機能は肩関節を安定させる事です。上腕骨を肩甲骨に引き付けるはたらきです。
※棘上筋は肩の外転の機能がメインです(腕を横にひらく動き)
トレーニングの強度
インナーマッスルのトレーニングは強度が重要です。強いとアウターマッスルの三角筋が過剰にはたらいてインナーマッスルをねらって効かせる事ができません。
一般的な筋トレでは最大強度の70%程度は必要と言われていますが、これは筋肥大を狙ったトレーニングで、アウターマッスルに対してのトレーニングとなります。
参考 運動療法学 総論 第3版、奈良 勲(監修):㈱医学書院,2010.
ではどのくらいが良いかなんですが、目安としては続けて30回は出来る運動強度です。この表でいうと、50%以下の強度となります。
腰まわりで言うと、『腹横筋など腰まわりを安定させるためのエクササイズの強度は30~40%でも十分』という報告もあり、インナーマッスルはその位の負荷でも十分働くという事が分かっています。
トレーンニングの実践
棘上筋(外転筋)
まずは棘上筋のトレーニングです。
棘上筋は外旋筋と言われていますが、筋の走行から肩甲骨面上の外転運動(ななめ前に上げる)で収縮します。
棘上筋は30度までが良く働くのでそこまで上げれば十分です。90度を超えると棘上筋の作用が弱くなりますので、どんなに上げても90度までにして下さい。
簡単そうに見えますが20回も休まずにやればかなりキツイです。20~30回を目安にしてください。まず1セットだけで。
なおこれはチューブを使っても出来ますが、抵抗が強くなりがちなので私は重りを推奨します。※最初は重りを使わないか、水を入れたペットボトルを使うとか
上記は一般的な方法ですが、立って行うと重力の関係で0度~30度までだと負荷がかかりにくいです。そのため外とかでなければ横に寝てやる方をおススメします。
これなら0度あたりが負荷が最もかかりやすくなります。
棘下筋(外旋筋)
次は棘下筋を対象にしたトレーニングです。
重りがなくても可動域いっぱい動かせば筋収縮は得られます。
小円筋(外旋筋)
次に小円筋を重点的に収縮させたい人はこれです。
肩関節を屈曲した状態での外旋運動は小円筋、棘下筋の下部に効きます。
※写真では肩を横に開いているように見えますが、真っすぐ前に上げた位置で肘を台に乗せています
肩甲下筋(内旋筋)
最後に肩甲下筋はこちらの方法になります。
ただこれだと90度近くになるとほとんど負荷がかからないため、肩甲下筋についてはチューブでのトレーニングも併用した方が良いかもしれません。
おわりに
腱板のインナーマッスルはチューブでのトレーニングが奨められていますが、可動域全般にわたって負荷量が一定ではなく、どうしても負荷が高くなる気がします。
そのため個人的には軽いダンベルを使うのがおススメです。その方が可動域全般にわたってインナーマッスルを使う練習になると考えます。
可動域いっぱいにゆっくり動かす事を意識すれば相当良いトレーニングになっている・・ハズです。
簡単そうに見えますがきちんとやればキツイですよ。実践は無理ない程度にお願いします。
おわり
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