ストレッチには動的ストレッチ、静的ストレッチ、反動をつけたバリスティックストレッチなどがあります。今回は動的ストレッチの話がメインとなります。
目次
静的ストレッチと動的ストレッチの違い
一般的にストレッチというと身体をじわーっと伸ばして筋肉を伸ばす方法(静的ストレッチ)を思い浮かべると思います。
この静的ストレッチは『柔軟性の向上』や『筋肉のこわばりをほぐす』という効果があります。筋肉の血流を上げてこわばりをほぐせるため、運動後の筋肉の疲労や筋肉痛をケアするために静的ストレッチが良いという事が分かってきています。
その他にも長時間同じ姿勢で酷使した筋肉をほぐしたりする時にも効果的です。
一方、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチとも言う)とは身体を動かしながら関節を大きく動かすストレッチの事です。
例えば立った状態で股関節を大きくグルグル回すような運動の事を言います。実際には競技に使うような動作を数種類、10回程度反復するというものです。
そして運動前には動的ストレッチが適しています。
運動前に動的ストレッチが良い理由
①筋温が上がる
②動作の中で柔軟性を上げる(協調運動がスムーズになる)
という2点が大きいです。
まず①筋温についてですが、筋肉が最も大きな力を発揮出来るのは38℃~39℃と言われています。身体が温まると筋肉が収縮する力も上がって柔軟性も上がります。詳しくは以下記事に書きました。
そして⓶の動作の中で柔軟性を上げる(協調運動をスムーズにする)という点が挙げられます。
例えば『ひじを素早く曲げる』という動作をしようとします。
ひじを曲げるための筋肉は上腕二頭筋(力こぶ)です。※他の筋肉もありますが割愛します。
一方、ひじを伸ばすための筋肉は上腕三頭筋となります(肩からひじ裏にかけて付いている筋肉)。
ひじを曲げようとした時に上腕二頭筋が収縮して曲がるのですが、反対の作用がある上腕三頭筋は緩みます(相反抑制という)。もし、この時に上腕三頭筋が緩まないと曲げようとする二頭筋に対して抵抗がかかる様になり、素早く動けません。
関節には必ず『曲げる筋肉と伸ばす筋肉』、『開く筋肉と閉じる筋肉』というように反対の作用をもつ筋肉が存在します。
そして片方は縮み、もう片方は緩む事によって素早い関節運動を可能にしています。動きの速度に合わせて『縮む』と『緩む』の共同作業によって運動を可能にしており、これを協調運動と言ったりします。
協調運動は神経系のはたらきが大きく作用し、止まっておこなう静的ストレッチでは協調運動のウォーミングアップにはならないのです。
以上2点から、速い動きや強い力を使う運動前に動的をストレッチをするべきだと言えます。
まとめ
- 静的ストレッチは筋肉のこわばりをほぐす、関節の柔軟性を上げるのに効果がある。そのため運動後や筋肉を酷使したあとなどが適している
- 動的ストレッチは特に筋温を上げる、運動がスムーズになるという効果がる。そのため運動前におこなうのが良い
- 関節の可動域を増やすのが静的ストレッチ、可動範囲の中で動きを良くするのが動的ストレッチと捉えておけば間違いないかと
以上です
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