握力で主につかう筋肉は前腕の屈筋群と手内在筋となります。
簡単にいうと、前腕の筋肉と手の中の筋肉です。
指を曲げるための前腕の屈筋群は、指の骨から出て前腕の肘近くの骨にくっついています。非常に長い筋肉が多いです。
目次
握る時につかう前腕の筋肉
主に使う筋肉は
- 浅指屈筋(2~5指の第2関節を曲げる)
- 深指屈筋(2~5指の第1関節(指先に近い方)を曲げる)
- 長母指屈筋(親指の第1関節を曲げる)
となります。
他の前腕屈筋群として
- 橈側手根屈筋
- 尺側手根屈筋
- 長掌筋
などありますが、主に手首を曲げる時に力を発揮します。腕相撲などでは必須の筋肉です。
位置関係で言うと、手首を曲げる筋肉の奥に指を曲げる筋肉があるというイメージです。
前腕が細いのに握力が強いのはなぜか?
握力に使う前腕の主な筋肉は①浅指屈筋、②深指屈筋、③長母指屈筋という指を曲げる筋肉になりますが、手首を曲げる筋肉の奥にあります。つまり筋肉のふくらみが分かりにくいんです。
対して手首を曲げる筋肉は体の表面に近いためふくらみが分かりやすいんです。
要するに、前腕が細いのに握力が強いのは、手首を曲げる筋肉は強くないけど、その奥にある指を曲げる筋肉が強い可能性が高いという事です。もしくは次の項で紹介する手内在筋が異常に強いか。
逆に太いのに握力が弱いのは、手首を曲げる筋肉は強いけど、その奥にある指を曲げる筋肉が弱い可能性が高いです。
※追記
その他の要因として神経系のはたらきも考えられます。
思いっきり握った時に筋肉は100%の力が出せる訳ではありません。運動神経が筋肉の出力を決めて、どの位の力が出るかが決まってきます。
細くても力が強い人は、運動神経のはたらきによって瞬間的に多くの筋繊維を動員できる可能性が高いとも言えます。
握る時につかう手内在筋
手内在筋とは、手の中だけにある筋肉の総称です。
手首をまたいで前腕まで伸びていないため短い筋肉となります。
そして握る時に使う主な手内在筋は
- 虫様筋(2~4指の第3関節を曲げる)
- 掌側骨間筋
- 母指球筋(母指球の筋肉群の総称で、親指のつけ根を内側に閉じたりする)
などです。
握る力を機能面から3つに分ける
クラッシュ力
拳全体の握る力をクラッシュ力といい、握力計で測定する値となります。どちらかというと前腕の筋群の活動が主となります。
関連:握力の平均値(年齢別)
ピンチ力
ピンチ力とはつまむ力です。クラッシュ力が拳の握る力だとすると、指先だけの握る力となります。
前腕の屈筋群も使うのですが、つまむという動作の性質上、母指球筋(短母指屈筋、短母指対立筋、短母指内転筋)や虫様筋と呼ばれる手内在筋が強くはたらきます。
※ここで言ってるピンチ力とは親指と他の指でつまむ力の事です。人差し指から小指で(第2指~5指)鉄棒に指先をひっかけて身体を支えるという動作は前腕の筋肉を主とします(深指屈筋、浅指屈筋)。
ホールド力
ホールド力は握り続ける力です。
クラッシュ力は拳を握る力の最大値で、ピンチ力は指でつまむ力の最大値、ホールド力は筋持久力と言えます。
おわり
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