開脚で手がベターとつくようになるポイントを画像つきで紹介します。
開脚は両足を開いて身体を前に倒すやつです。
多くの方は股関節の内転筋群とハムストリングスの柔軟性に問題があり、この筋肉を柔軟にするために骨盤を立ててストレッチをする必要があります。
直ぐには頭や肘がつくようにはなりませんが、1週間もストレッチを続ければ目に見えて効果を実感できるはずです。
目次
開脚の解剖学的な動き
まず、開脚という運動はどこをどう動かしているという事を考えてほしいんです。
開脚は、股関節の屈曲+外転+外旋という複合運動になります。
※屈曲は前に曲げる、外転は横にひらく、外旋は外にねじる運動になります
股関節は球関節と呼ばれる関節で、前後、左右、さらに回旋という3軸の運動が出来る関節になります。開脚に限らず、股関節を使う時はほとんどの場合、複合運動で動いています。
開脚は外旋しないと大腿骨と骨盤が当たってしまう構造のため、外旋は必須です(膝を上に向けるようにすればOK)
開脚前屈ができない原因
一般的な関節の可動域制限を上げると
- 筋肉
- 靭帯
- 関節包
- 皮膚
- 骨そのもの(先天的なものだったり人工関節だったり)
- 痛みや神経的なもの
など幅広くなりますが、話が複雑になるため、ここでは一般的な方の開脚前屈の制限について記述します。
開脚前屈の制限は、ほとんどの場合筋肉になります。
まず、開脚の制限となる要因は股関節の内転筋群(股関節の内側についている筋肉群の総称で5つあります)です。
股関節の外転のみの動きだと、内転筋と靭帯(特に恥骨大腿靭帯)で制限されますが、外転に屈曲、外旋が加わる事で外転制限の靭帯が緩みます。
そのため開脚の制限因子は、ほとんどの場合内転筋群になります。
また、開脚した状態で前に上半身を倒した場合は内転筋群に加えハムストリングス(ももの裏の筋肉)により動きが制限されます。
つまり、開脚前屈ができない原因は股関節の内転筋群+ハムストリングスの柔軟性がない事がほとんどです。
骨盤を立てる事が重要
開脚前屈をする際は骨盤を立てるようにする事が最重要です。
これは内転筋やハムストリングスが付着している位置の関係から、骨盤を立てる(前傾ともいう)ようにしないと、これらの筋肉が伸ばされないからです。
開脚前屈は、内転筋とハムストリングスを柔軟にする事で出来るようになるので、練習でしっかり骨盤を立てましょう。
筋肉や骨の仕組みが良く分からない人のために
知らない方もいるかもしれないので一応書きます。
筋肉の両端はそれぞれ骨にくっついています。必ず関節をまたいでどこかの骨と骨にくっついています。筋肉に力が入る(収縮する)事で、骨が引っ張られて関節が動くという仕組みになっています。
逆に、関節を伸ばすと筋肉が引っ張られて筋肉が伸ばされます。これがストレッチです。
直ぐには頭や肘が床につくようにはなりません。2~3か月継続して柔らかくしていくものです。ただ、正しい方法で1週間も続ければ目に見えて効果を実感できるはずです。
開脚前屈の効果
ここまで読んでくれた方はわかると思いますが、開脚前屈の効果は股関節の内転筋群とハムストリングス(もも裏の筋肉)の柔軟性向上です。
それだけ?って思うかもしれませんがそれだけです。
ただ、この2つの筋肉は、姿勢や痛み(特に腰など)に大きく関わっています。股関節が機能的に使える事で、腰への負担が軽減します。
普通に生活していたらまず硬くなる箇所なので、この機会にしっかり伸ばして股関節を使えるようになってください。
高齢で寝たきりの方などは内転筋とハムストリングスは特に硬くなりやすい箇所です。本題とは関係ありませんが知識として書いておきます。
開脚前屈のやり方
ストレッチは『痛い』ではなく、『痛気持ちいい』ところまで伸ばすのがポイントです。
1.座って足を開く
初めての方は、この段階で腰や膝が曲がって骨盤が寝ている(骨盤の後傾)状態になると思います(下図)。この場合は内転筋群が硬いです
こんな時は内転筋群のストレッチをしましょう。方法は座って両足を合わせます。胸を張って骨盤を立てた状態で膝の上から手で押していきます。可能なら上半身を少し前に倒します。
もう一つ。内転筋の薄筋と呼ばれる長い筋肉を伸ばします。
2.手を後ろについて骨盤を立てていく
ある程度内転筋を伸ばしたらこの姿勢はとれるようになります。手で床を押して胸を張っていきます。そうすると骨盤が立ちやすくなります。膝は曲がっても構いません。まずは骨盤を立てる事、内転筋群を伸ばす事を意識します。
さらに言うと、両足を左右方向に伸ばして骨盤を開いていくイメージです。両足を伸ばすイメージは大切ですが、実際に膝は伸びてなくてもOKです。
3.膝を伸ばします
2.の練習を繰り返すと徐々に膝を伸ばせるようになります。
膝が伸びるようになったら骨盤を立てたり倒したり、骨盤を立てた状態で左右に動いたりして徐々に内転筋とハムストリングスの柔軟性を上げていきます
4.上半身を前に倒します
3.まで出来るようになったら、あとは骨盤を立てたまま上半身を前に倒していくだけです。
3.までは割と早くに出来ると思いますが、それ以降は時間が掛かります。さらに、さぼると直ぐに硬くなります。
個人的には頭が床につかなくても両肘くらい床につけば十分だと思います。
※私は背中を丸めないと頭がつきません。
注意点
ももの付け根のやや外側がつりそうになる事があると思います。慣れない内は特に。
これはほとんどの場合、大腿筋膜張筋という筋肉がつっています。股関節を屈曲、外転にする事で、大腿筋膜張筋は短縮位(縮んでいる事)となります。筋肉は短縮位の時に不意に力が入るとつる事が多いです。
もしつりそうになったら、姿勢を崩すか、グリグリと指で筋肉をマッサージしてください。多少なりとも痛みが緩和されます。
まとめ
- 開脚は、股関節の屈曲+外転+外旋という複合運動
- 開脚の制限は股関節の内転筋群
- 前屈を加えるとハムストリングスも制限の要因となる
- 開脚前屈の効果は内転筋群とハムストリングスの柔軟性向上
- 絶対に無理ない範囲でやってください(ケガの責任は負えないです)
以上です
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