腹式呼吸と胸式呼吸の違いと効果!どちらが良いのか?

腹式呼吸の効果と胸式呼吸と比べてどちらが良いのか?

 

よく健康のためには腹式呼吸が良いっていう話を耳にします。

腹式呼吸の効果や胸式呼吸との違い、やり方などについて説明します。

結論的にはどちらも大切だよっていう話なんですが、それぞれ役割があります。

 

腹式呼吸と胸式呼吸の違い

基本的な事として呼吸は肺で行われます。息を吸うと肺に酸素が取り込まれ、肺の中の肺胞と呼ばれる組織で酸素と二酸化炭素の交換が行われます。体内に取り込まれた酸素は血管の中を通って全身へと運ばれます。

胸式呼吸と腹式呼吸は、どのように肺を膨らませるかの違いです。

息を吸う時は肺を膨らませる必要がありますが、肺は直接膨らませたり縮めたりする事は出来ません。息を吸う時は、胸郭と呼ばれる肋骨に覆われた部分が拡張したり、横隔膜が下がる事により自動的に肺が膨らみます。

横隔膜や外肋間筋(肋骨を上げて胸郭を広げる筋肉)も直接意識して収縮させる事は出来ませんが、息を吸う時には自動的に収縮します。

息を吸う時、胸郭の拡がりが大きい場合を胸式呼吸、横隔膜の下がりが大きい時は腹式呼吸と呼び分けていますが、基本的にはどちらも動いています。あくまで感覚的な割合の話であるため、腹式呼吸といっても胸郭は動いています。どちらを優位に使っているかという違いです。

そして、

腹式呼吸は脱力してリラックスする時の呼吸法と言えます(副交感神経が働く呼吸法)。イメージとしてはお腹が膨らんだり凹んだりする呼吸となります。息を吸う時にお腹が膨らむのは横隔膜が下がり内臓が前方に移動するため。

それに対して胸式呼吸は緊張した時の呼吸、力を使う呼吸と言えます(交感神経が働く呼吸法)。イメージとしては胸が横に広がる感じです。息を吸う時に肋間筋(外・内肋間筋)が働いて肋骨間のスペースを広げる事で肺を横方向に膨らませています。


腹式呼吸と胸式呼吸はどちらの方が良いのか?

基本的には腹式呼吸の方が余計なエネルギーを使わずに楽に酸素を全身に送れます。

こう書くと腹式呼吸の方が良いと感じるかもしれませんがそんな事はありません。というか、どちらが優れていると比べるものではなく、場面によって変わるため両方必要です。

胸式呼吸が必要な時

運動時など短時間に多くの酸素を取り込む必要がある時には胸式呼吸を使う必要があります。

短時間に大きく息を吸う時には横隔膜や外肋間筋以外にも背筋群が収縮して一気に酸素を取り込みます。こうしないと酸素交換が間に合わないからです。

よく胸式呼吸は浅い呼吸になるという話がありますが、そもそも胸式呼吸が必要な時は酸素交換が間に合っていない場面が圧倒的に多いからだと言えます。

試しに腹式呼吸を意識して速く走ってみると分かります。滅茶苦茶苦しいです。

運動時や活発に動いている時に胸式呼吸になるのは自然な事なのです。ただ、心肺機能が向上すると、少し動く位では腹式呼吸でまかなえるようになります。

ピラティスでは胸式呼吸を推奨していますが、交感神経を活発にして筋肉に適度な緊張を与え、活動時に使える身体にするためのエクササイズと言えます。

腹式呼吸をする時

逆に安静時やリラックスしている時(食後など)は自然に腹式呼吸になっているハズです。大量の酸素交換が必要でないときは、背筋群などに余計な力を使わないため腹式呼吸の方が効率が良いからです。

ただ、不安や緊張など精神的に乱れている場合では安静にしていても胸式呼吸になってしまいます。呼吸は身体面だけでなく精神面にも大きく影響を受けるため、意識して腹式呼吸をしたい場合には精神的な安らぎが必要だと知っておく必要があります。

腹式呼吸の効果

  • 精神的にリラックスできる
  • 手足など筋肉の緊張が和らぐ
  • 内臓の活性化

などですが、これらは副交感神経が働く事による効果と言えます。副交感神経が働く時、手足など骨格筋への血流が抑えられ、臓器への血流が活発になります。例えば、食後にはリラックスして落ち着く事で胃の働きが活発になり食べ物の消化が速くなります。

柔軟性の獲得や精神的なリラックスを求めるヨガでは腹式呼吸が推奨されていますが、副交感神経の影響があるからです。

腹式呼吸は痩せるのか

普通の人が安静時に行っている腹式呼吸には痩せる効果はありません。一般的に痩せると言われているのは息を大きく吐く事で腹横筋など腹部の筋肉が使われるためで、腹式呼吸とか胸式呼吸とかっていう概念はあまり関係ありません。胸式呼吸でも息を大きく吐く事で腹部の筋肉はしっかり使われます。

そう。腹式呼吸でも胸式呼吸でも、呼気(息を吐く時)を大きく吐くようにする事で消費カロリーは増えます。カラオケでの発声などは良い例です。個人差もありますが10曲も熱唱すれば200kcal程度にはなると思います。

ただ、1日3分のロングブレス(腹式呼吸)で痩せるみたいな話は明らかに煽りすぎです。騙されてはいけません。

 

平常時に息を吸う時は筋肉を使うが、吐く時は使わない

平常時は、息を吸う時は横隔膜や外肋間筋(肋骨間の筋肉だよ)が収縮して肺が膨らみます。

ここで、収縮した横隔膜などが緩む事により呼気は行われています。筋肉は緩むだけで特別に力を使いはしません。

ただ、努力呼気時は腹部の筋肉を使います。念のため資料を貼っておきます。

呼吸運動と筋肉の関係

呼吸運動と筋肉の関係

 

自分が胸式呼吸か腹式呼吸か簡単に知る方法

これは鼻から大きく息を吸った時にお腹が膨らむかどうかで判断します。息を吸った時にお腹が膨らんでいる時は腹式呼吸をしていると言えます。

これは息を吸って横隔膜が下がる時に、胃などの内臓が圧迫されるのを避けるため内臓が前方へ移動するためです。

また、大きく息を吸った時に肩が上がったりすくんだりしている時は胸式呼吸になっています(背筋群を使っている)。

胸式呼吸と腹式呼吸のやり方

胸式呼吸は手を広げて胸を広げるように大きく息を吸います。コツは左右の肩甲骨を引き寄せるようにします。

これだけです。これで胸郭が広がっている感覚が掴めると思いますが、これが胸式呼吸が出来ている状態といえます。

 

腹式呼吸はお腹に手を当てて、お腹を膨らますように意識して大きく息を吸います。立っても寝ても良いです。注意点として、お腹を前に突き出そうとして腰を反らない事です。

感覚としてはお腹を前方に膨らますというよりは全方向に膨らますようにする事です。

 

まとめ

胸式呼吸と腹式呼吸は、どのように肺を膨らませるかの違いで、腹式呼吸は脱力してリラックスする時の呼吸法と言え(副交感神経が働く呼吸法)、胸式呼吸は緊張した時の呼吸、力を使う呼吸と言えます(交感神経が働く呼吸法)。

そして、どちらが優れているかと比べるものではなく、安静時は腹式呼吸、運動など活発に動く時は胸式呼吸と場面によって変わるため両方必要です。

ただ、心肺機能が衰えてくると、ちょっと歩くだけで肩で息をするようになります(胸式呼吸)。これは腹式呼吸では酸素が足りなくなるからです。

両方の呼吸が出来る事も大切ですが、ゆっくり歩く程度の動作では腹式呼吸でまかなえる程度の心肺機能を維持する事の方が重要だったりします。

以上です。

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日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。