無酸素運動は有酸素運動に比べてどんな効果があるのか

無酸素運動

この記事は、無酸素運動とはどんな運動か、有酸素運動と比べて身体にどんな効果があるのかという事について書いています。

目次

有酸素運動と無酸素運動の定義

簡単に言ってしまうと有酸素運動は酸素交換が可能な強度の運動で、無酸素運動は酸素交換が出来ないくらいの強度の運動です。

※有酸素と無酸素の運動強度と心拍数の関係をまとめた記事を貼ります。

参考:運動強度と心拍数の目安(計算シートあり)

有酸素と無酸素のエネルギーをもう少し詳しく説明します。

有酸素性エネルギー

人が身体を動かす時には筋肉が働きます。筋肉を動かす時には糖(炭水化物)や脂肪をエネルギーとしていますが、この糖や脂肪をエネルギーに変えるために酸素が必要になります。

酸素は口や鼻から呼吸する事で肺に取り込まれます。肺に取り込まれた酸素は血管を通して血液と一緒に全身に運ばれます。血管の中には糖や脂肪が含まれており、酸素と一緒に筋肉内に運ばれて筋肉を動かすエネルギーとなります。

この酸素を使ってつくられるエネルギーを有酸素性エネルギーと呼びます。

無酸素性エネルギー

一方で、完全無酸素でも少しの間ならエネルギーを作り出す事が出来ます。これを無酸素性エネルギーと呼びます。

これは筋肉内にはあらかじめグリコーゲン(糖が変わったもの)が蓄えられており、この筋肉内のグリコーゲンのみを使う時には酸素を使わずにエネルギーを作り出す事ができるからです。

無酸素運動とは

低い強度なら有酸素性エネルギーで運動できますが、高い強度だとそうはいかなくなります。

高い強度の運動は短時間に多くの筋肉を活動させるため大量の酸素が必要になり、酸素の交換が間に合わなくなります。この酸素の交換が間に合わない強度の運動全てを無酸素運動と呼んでいます。


ほとんどの運動では有酸素運動と無酸素運動は完全に分かれていない

酸素交換が間に合わない強度が無酸素運動と書きましたが、厳密には完全無酸素ではありません。

運動強度が高くても、身体のほとんどの部位では酸素を使いエネルギーを作り出しています。間に合わない一部の部位だけ無酸素性のエネルギー生成となっています。

つまり、無酸素運動と呼ばれるものは、厳密には身体の一部だけ無酸素状態になっているという事です。

ただ、身体の一部だけとは言え長くは持ちません。

すぐに有酸素性エネルギーでまかなえる運動強度に落とさなければ酸欠状態になってしまいます。

球技ではプレーの一部で無酸素性の激しい運動をしますが、1プレイが終わると有酸素性エネルギーでやりくり出来る運動強度に落とす必要があります。これはどんな運動でも一緒です。

無酸素運動の種類

有酸素運動と無酸素運動は運動の種類で分かれていません。どんな運動でも『強く』、『速く』、『大きく』動けば無酸素運動になります。有酸素運動の代表みたなエアロビクスであってもです。

ただ、そうは言っても、無酸素運動になりやすい条件はあります。

それは『相手がいる』、『成績を意識する』という事です。当たり前の話ですが、相手に勝ったり、より良い成績を残すためには運動強度は上がります。

そのため

  • 格闘技全般
  • 走る事が多い球技(サッカー、バスケ、ラグビーなど)
  • 短距離走、中距離走

などは無酸素運動になりやすいと言えます。

また、高強度の筋トレは負荷が強く無酸素運動と言えます。

無酸素運動で使われる筋肉

無酸素運動では速筋が使われます。※筋肉は大きく速筋と遅筋に分けられます。

参考:速筋と遅筋の違いと割合について

これは、無酸素運動は必然的に強度が高い運動になるため、瞬間的に多くの力を発揮できる速筋が必要だからです。

無酸素運動の効果

  1. 筋肥大(筋力向上)
  2. 心肺機能の向上
  3. 高い消費カロリー

1、無酸素運動は瞬間的に大きな筋力を発揮し、速筋が活動するため筋肥大がおきやすいです。

2、無酸素運動と有酸素運動の境目くらいの強度で運動を続けると、軽い有酸素運動に比べて心肺機能は優位に向上します。ただし、筋トレなど一瞬で終わってしまう運動では効果は見込めません

3、これも2と同様に有酸素運動との境目くらいの強度で運動を続けた場合は、軽い有酸素運動に比べて消費カロリーは高くなります。

※無酸素運動だけだと瞬間的な消費カロリーは高いけどトータルでは低くなると思います。続かないから。消費カロリー=運動強度×時間

無酸素状態を利用した筋力向上方法

無酸素運動は筋力向上に高い効果があるため、この理屈を応用した加圧トレーニングやスロートレーニングという筋トレ方法があります。

参考:スロートレーニングという筋トレの効果とやり方を説明します

どちらも特定の筋肉への血流を制限する事で、筋肉に無酸素状態をつくり速筋を動員させるという理屈です。

また、軽めの負荷でも長時間続けると、有酸素運動で働く遅筋が疲労して無酸素運動で働く速筋が動員される事で筋力強化になります。プラス心肺機能の強化にもなります。

平昌オリンピックで金メダルを取った女子スケートチームは夏場に100kmの自転車トレーニングを続けていたそうです。長時間続ける事で、速筋を働かせて筋力強化プラス心肺機能の強化も図っていたのだという事が分かります。

無酸素状態を利用した心肺機能向上方法

有酸素運動と無酸素運動の境目の強度が心肺機能を優位に改善させるため、無酸素運動と有酸素運動を繰り返すトレーニングがあります。

それがHIIT(高強度インターバルトレーニング)と呼ばれる方法です。

これは、短時間(10~20秒程度)の高強度の運動と、短時間の軽い運動(または休憩)を繰り返すという運動理論です。

効果は高いですが、メチャメチャきついです。

ランニングではインターバル走と呼ばれるトレーニングがありますが、このHIITの理論と考え方は一緒です。有酸素運動と無酸素運動を繰り返す事で筋力と心肺機能を向上させようという鬼ハードなトレーニングです。

注意:無酸素運動にするために息は止めないでください

いないとは思いますが、無酸素状態をつくるために呼吸を止めるなんて事はしないで下さい。脳へ酸素が行き渡らないので大変危険です。どんなトレーニングも脳への酸素供給はマストです。

おわりに

無酸素運動は競技能力を向上させるためには必要なトレーニングになります。ただ、強度が高い分、ケガのリスクが増えます。必ず入念なウォーミングを実施してから取り組んで欲しいと思います。

この記事が誰かの役に立ちますように

以上です。

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ABOUTこの記事をかいた人

日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。