背中を中心とした体幹のインナーマッスルトレーニングのお尻上げ運動(バックブリッジ)を紹介します。
お尻上げ運動は主に背中~お尻にかけて、インナーマッスルとアウターマッスルの両方をバランスよく使っていくエクササイズです。
バックブリッジでは背筋群の共同収縮の活動量が大きくなる傾向を示した。
大久保 雄:腰痛におけるcore exerciseの実際.臨スポーツ医30:721-726,2013.
※ここで言ってる共同収縮とは背中のインナーマッスルとアウターマッスルを同時に使うという意味です。
バックブリッジは背中だけではなくお尻の筋肉やお腹の筋肉も使うエクササイズで、さらに方法によっては骨盤底筋など体幹部のインナーユニットを効かせる事が出来るのでお得なエクササイズです
目次
インナーユニットとは
これは体幹を安定させるインナーマッスルで、腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋という4つの筋肉をまとめたものを指します。それぞれを簡単に説明すると
腹横筋:腹圧を上げる(トイレで大をする時に踏ん張る感覚)
多裂筋:腰椎を1つ1つ反らせたり、わずかにねじったりする
横隔膜:呼吸筋。息を吸うときに働いて横隔膜がさがる(胸郭を膨らまして肺を拡張する動きを助ける)。
骨盤底筋:骨盤周囲の臓器を支える(膀胱など)。排泄のコントロール(お腹に力が掛かった時(腹圧が上がった時)に骨盤底筋群が適切に働くことで、尿や便を我慢したり出したりしている)。
体幹を安定させるためには腹横筋や多裂筋など単独で使えてもダメで、4つの筋群がバランスよく働かないと特定の関節に過剰な負担がかかったりします。
※体幹という言葉がどこからどこまで指すのか曖昧になりがちですが、ここでは横隔膜から骨盤までの間(主に腰)の意味で使ってます
体幹の安定とは
誤解を招きそうなので一応書いておきますが、体幹の安定というと一枚の板のように動き、手足を動かしても体幹部はガチっと固めるロボットのような動きを想像しそうですがそうではないです。
固める時にはガチっと固める事が出来て、背骨を動かす時にはバランスよくインナーマッスルを働かせて特定の関節に無理のかからない動きを獲得するという事です。
だからインナーマッスルを鍛えて固める事が出来れば良いんでしょ?っていう発想じゃなく、最終的には背骨を動かしてる時にも適切な力を出して使える状態にしないとあまり意味がないのです。
ちなみに背骨は24個の骨をまとめて背骨と呼んでいますが、この背骨の各関節の動きを調整するのに体幹のインナーマッスルが活躍します。
お尻上げ運動(バックブリッジ)の実践
まず膝を立ててあお向けに寝ます。
次にお尻側から上げていき、肩側の方に向かって徐々に背中を浮かしていきます。
肩から膝まで一直線になったら姿勢をキープします。時間は細かく決まっている訳ではありませんが、10秒程度を目安としてください。
この時、膝を遠くに伸ばす事をイメージして欲しいのですが、肩から膝までは一直線に保つ事を意識してください。
強く上げようと意識しすぎると反り過ぎてしまい腰によくないです。
降ろす時は上げる時の反対で、肩側から徐々におろしていきます。
最初は5~6セット程度を目安として下さい
応用として片足を上げて行う方法もあります。負荷量が上がります。
何故お尻と背中を同時に持ち上げないのか
上にも同じような事を書いてますが、ガチっと背骨を固める事だけ考えたらお尻と背中を同時に持ち上げても良いと思います。
しかし、最終的には安定した体幹(背骨)の動きを獲得したいので、各背骨の関節1つ1つを動かす意識というのが大切になります
かなりピラティスの要素が入っていると思いますが、自分自身、エクササイズの中にピラティスの考え方を良く取り入れており凄く共感できる部分が多いため記載しています。
※ただ、腰椎ヘルニアの急性期では徐々に持ち上げてはダメです。腰を曲げる動作は禁忌とされています。その他、痛みの出る方もやらない方が良いです。
まとめ
- 主に背中側のインナーマッスルトレーニングとしてお尻上げ運動(バックブリッジ)を紹介しました
- バックブリッジは背中だけでなく、体幹のインナーユニットを効かせるのにも有効
- 体幹を固めるだけでなく体幹(背骨)を動かす時にもインナーマッスルを使えるようにしましょう
- そのためにバックブリッジはお尻から少しずつ上げていく
- おろす時は背中から少しずつおろしていく
以上です
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