走りすぎは身体に悪いのか?

ランニングの距離が健康に与える影響

 

ランニングを始め運動は身体に良いというイメージがありますが、マラソン選手などスポーツ選手の寿命は短いと言います。

やりすぎは身体に良くないというのは分かりますが、どの程度なら身体に良いのか?どの程度なら悪いのか?という疑問に答える記事です。

 

正直、私の持っている資料や勉強してきた範囲では分からない事もありましたので、信頼出来そうな『ネット情報』もかき集めてまとめました。

何故そんな事をするかというと自分自身が知りたかったからです。

結論は120km程度までは良くて200kmを超えると危ないよって話になりました。気になる方は内容に目を通してね。

 

目次

どの程度の運動が身体に良いのか?

生活習慣病に対して

この情報は色々な本に載っていますが、より信頼してもらえる情報として『厚生労働省の健康づくりのための身体活動基準(2013)』を引用します。

これは多くの報告や知見を集めた結果なので、2018年時点での健康のための運動量の指針として最も信頼できる内容かと思います。

主に生活習慣病(高血圧、糖尿病、動脈硬化など)に関わる報告です。生活習慣病を放っておくと2次的に心疾患や脳卒中のリスクが高くなります。

健康のための基準となる運動量の指標は

身体活動量

健康のための身体活動量(厚生労働省)

 

となります。この位の活動量を保っている人は、運動しない人と比べると14~21%生活習慣病のリスクが低下するようです。

この身体活動をとれない人は定期的に運動する必要があります。18~65歳の至適運動基準として『1回30分以上』、『週2回以上』、『中等度の強度』が推奨されています。

 

 

運動が癌に与える影響

国立がん研究センターより約8万人の8年に及ぶ追跡調査から、日常生活の身体活動が多い人ほど癌にかかるリスクが減っているという統計があります。男性で0.87倍、女性で0.84倍です。

ただし、余暇活動の運動の程度に言及した報告ではなく、あくまで日常生活の活動量が多い人はがんになりにくいという報告です。

激しい運動は体内の活性酸素やフリーラジカルを増加させDNAの損傷につながる一方で、中等度の運動ではその程度によって身体に良い影響を与える可能性を示唆しているにとどまっています。

現段階(2018年)では身体活動量が多い方が癌の発生を抑制できるが、逆に多すぎる運動量では、どの程度から癌の発生率が上がるのかはっきりしていないようです。

活性酸素とは

活性酸素と聞くと悪いイメージが浮かぶ事が多いと思いますが、実際には細菌やウィルスを除去してくれる側面があり、身体にとってなくてはならない存在です。

ただ、過剰に増えすぎると身体を酸化させ、【老化、シミ、しわ、糖尿病、がん、動脈硬化】といった症状につながります。過剰発生させる要因としては

  • 紫外線
  • タバコ
  • 激しい運動

などです。

 

アメリカのスポーツ医学会の研究報告

『ランナーは走らない人々より総死亡リスクが19%減少する』のだそうです。

ただし、

  1. 走行距離が1週間に32kmを超えず
  2. ランニングスピードが5.4~7.5分/kmであり
  3. 走る回数が1週間に2~5回

という条件を満たした場合の話で、この強度を超えると寿命を延ばす効果はないのだそうな。

約5万人の追跡調査なので、かなり精度は高いと思われます。

週32kmって多いように感じるかもしれませんが、大会に向けて真剣に取り組んでいる人なら普通に超える距離です。月にして120km程度です。

 

スウェーデンの大学病院の報告

約4万人の追跡調査から出た結論では『1日4.7Meth以上の運動を続けると何も運動しない人に比べ心疾患のリスクは半減する』との事です。

4.7Methというと、軽いジョギングだと約7METsのため、約40分という事になります。

 

どの程度の運動が身体に良いかのまとめ

以上から、健康のためのランニング(ジョギング)は2、3日に1回の頻度で、一度に30分以上のジョギングで良い事が分かります。

ただ、大会志向の人には少なすぎる量だと思いますので、次にどの程度なら身体に悪影響が出るのかという事を書きます。

 

 


どの程度の運動が身体に悪影響を与えるのか?

調べた情報をまとめると

・アメリカの研究では『1週間で48km以上のランニングをする人は、それ以下しか走らない人と比べ、心臓病のリスクが上がる』と報告されているとの事。月にして約200kmです。

・一般市民ランナーにおいては1ヵ月200km以上のランニングは身体に掛かるリスクが急増すると言われている。これは統計上、ケガが発生する確率が高まるという事です。

・40~50代約40人の調査から、120kmまでは男性ホルモンであるテストステロンの分泌が増えるが、200kmを超えると大きく減るという結果が出ている。

※テストステロンは筋肉や骨をつくり、免疫に関わるホルモンなので、低下すると病気などのリスクが増える。

 

という事で、ケガや心疾患のリスク、免疫力など諸々含め、月200km以上のランニングは身体に悪影響を与える量だという結果になりました。

もちろんこれは男女含めた統計上の話なので、男女差や年齢で全然異なってくるとは思いますが、一つの目安として捉えていただけると幸いです。

6 件のコメント

  • 過去1年半(2018年6月~2019年12月)の月間平均走行距離は189km/月ですが、直近3か月間だと10月200km+11月222km+12月264km=686km/3か月=229km/月となります。12月は14km走や18km走をしたので、264km/月となりそう。「月200km以上のランニングは身体に悪影響を与える」ということなので、10月以降のランニングはあまり宜しくないということになります。

    運動量が少な過ぎると(食事による摂取kcalが多いため)体脂肪率が増えるという悩みが出てきますし、運動量が多過ぎると身体に悪いと言われます。程々にやるというのが良いのは分かっていますが、やる気が凄く出る時もあれば、全く出ない時もあるので、年間通して常に一定の程々ペースを保つというのは(人間はロボットじゃないんだから)簡単なようで難しいですね。

    1月2月になり今よりもっと寒くなってくれば、今のようなやる気も失せて月間150km位に落ちるかも知れないので、今のところ現状維持でやって行こうと思っています。

  • 2019年12月27日の健康診断で、γGTPが139と異常値になりました。
    酒は一切飲みませんし、薬物を摂取することなども当然ありません。体脂肪率を下げるべく、毎月200km前後(過去1年半近く)ランニングをしてきただけです。昨年の12月は、1か月間で300km弱走ったことで異常値が出たのではないか?と想像しております。
    Q.今後γGTP数値を正常化させるために、以下のような仮説を導きましたが、アドバイスして頂けると幸いです。

    運動を全くしていなかった時期に受けた健診時のγGTP32を自分本来の基準値と考えると、
    2019年03月のγGTPは84…84-32=52up→ 
    2019年12月のγGTPは139…139-32=107up …107up÷52up=2.06倍
    健診直前1か月間の走行距離は、
    2019年03月:140km、2019年12月:298km…298km÷140km=2.13倍 つまり、

    【仮説】健診前1か月間のランニングによる走行距離が(前回の健診時前より)増えた倍数分、γGTP数値も基準値(私の場合32)からアップするのではないか?
    従って、今後走行距離を2019年03月時健診前1か月の140kmレベルにまで落とせば、次の健診時のγGTPは84位にまで落ちる可能性が高いのではないでしょうか?

    ランニングをすればする程「健康体になる」と信じて疑いませんでしたが、やはり程々にしておかないと拙いなと最近は考えています。

    • そうすけ様
      色々調べているとは思いますが、γGTPは肝臓や胆管の細胞がこわれて血液中に流れる事で高値になります。
      一番はアルコールの過剰摂取ですが、肝炎や脂肪肝、胆道がつまる事で高くなる事もあります。
      酒を飲んでいないのに139であるなら一度病院で精密検査を受けた方が良いと考えます。何か疾患がある可能性も否定できません。

      • 過去20年間の健診結果を表にまとめています。
        γGTP数値が悪かった時は、体重が77.2kg-80.0kgと肥満だった時で115-232でした。
        要精密検査と書かれてありましたが、同僚に聞いても同じような検査をされただけで
        受ける意味はあまりなかった…と言われたので無視していました。
        翌年ダイエットして67.8kgまで落としたことでγGTP48の基準値に落ちていました。
        その後71.7kg時γGTP58、74.9kg時81と増えましたが、70.8kg時にγGTP43と戻りました。
        100kgあった頃は怖くて健診を受けなかったのでデータはありませんが、
        恐らく物凄い数値になっていたと思います。ダイエットして65.5kgにした時γGTP46、
        その後運動を止めましたが体重64.7kg時のγGTP32でした。

        健診前1か月間の走行距離が140kmだった2019年3月のγGTP84、
        →健診前1か月間の走行距離が298kmだった2019年12月のγGTP139という経緯です。
        ネットで色々調べてみましたが、大半は健診前にハードなランニングをした場合、
        数値が異常値を示したという例が圧倒的に多いようです。

        「一度病院で精密検査を受けた方が良い」というアドバイスが一番適切且つ安全なのは確かですが、
        時間と経費をかけてまで再受診する意味はあるのか?甚だ疑問に思っております。
        過去医者に質問した時、「そんなに心配なら病院で一度診て貰ってはどうですか?」
        と言われただけです。医者は商売だからそう言うでしょうが、
        こちらは無駄な時間と経費をかけたくないから質問して安心を得たいだけなのです。

        yamaoさんに期待したのは、過去様々な疑問に対して的確な指摘をして頂けたことから、
        「過剰なランニングとγGTP数値の因果関係」について一家言持っておられるのでは?と思ったからです。
        次の健診までランニングによる走行距離を極力抑えることで、数値は確実に下がって行くと
        確信しておりますので、今後はその方針でやって行こうと思っています。
        もしも肝臓の病気が進行して取返しがつかない事態になったとしても、
        それは自己責任だと思っています。

        ご回答して頂き、ありがとうございました。

        • そうすけ様
          申し訳ありませんが私には運動とγGTPの関係の知見がありません。
          一般的には中等度以下の運動強度ならγGTPは低下するというのが私が学んできた事です。

          でも、もし運動で高くなっているのだと仮定するなら、私なら以下のように考えます。
          肝臓は糖(グリコーゲン)を蓄えています。筋肉を動かすためには糖や脂肪をエネルギーとして使っています。
          極端な運動量で肝臓の糖質不足な場合や、食事で極端に糖質制限をしている場合、肝臓に酸化ストレスが掛かると思われます(活性酸素が過剰に発生する)。
          活性酸素の過剰発生により肝細胞が障害されている。そのためγGTPが高くなる。
          この場合だと、単純に運動量を落とす事と、糖質制限しないなどで改善すると思われますが、私の推測のため根拠はありません。

  • yamaoさん、ありがとうございます。
    >一般的には中等度以下の運動強度ならγGTPは低下する…
    ネットで調べましたが、大概の医者は運動とγGTPの関係は否定しているようです。そのように学んできたのでしょう。実際にランニングをしている医者だとまた違った見解を持っているかも知れませんが…。私が12月に298km走った14km走や18km走は、5.3分/kmペース前後だったので、自分としてはかなり苦しいランの連続でした。ふくらはぎ痛がずっと完治しない状態で続けていたので、かなり肝臓に負担だったと思います。6.0-7.0分/kmペースだったらまた違った結果だったかも知れません。糖質制限は一切していませんが、極端な運動量で肝臓の糖質不足になった可能性は充分あります。体脂肪燃焼のことばかり考えて、常に食前に走っていましたから。医者の言うことはあまり当てになりませんが、個人的にはyamaoさんの推測の方が合っているように思います。仮に間違っていたとしてもひとつの見解として尊重しています。ありがとうございました。色々失礼なことを書いてしまい申し訳ありませんでした。※最近は肝臓のことを考えてあまり走らなくなってしまいました。4日に1回走る程度です。走れば走る程健康になると無意識に考えていましたが、やはり程々にしておかないととんでもないことになると気づいたからです。また真剣に走りたくなるまでのらりくらりやって行こうと思います。

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    日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。