正しい歩き方のポイントは『肩甲骨を動かす事』です。
あごを引いて、大股で、踵からついて・・というような事が病院等で配っている歩き方のパンフレットに載っています。
そういうパンフレットに書いてある事は正解です。しかし、肩甲骨を動かす意識をするだけでこれらは大きく改善されます。
少し厳密に書くと、腕を引く時に『肩甲骨を内転方向に動かす(背骨の方向に動かす)』意識をするという事です。軽くで良いんです。思い切り動かすとかえって体幹の動きが制限されてしまいます。
目次
腕を引く時に肩甲骨を動かすと何故よいのか?
腕を引く時に肩甲骨を内転させるメリットは大きく2点あります。
- 胸を張ってあごが引ける
- 股関節を大きく使える
詳しく説明します。
胸を張ってあごが引ける
まず、肩甲骨を内側に動かすためには猫背ではやりにくいんです。
軽く胸を張って肩を落とすようにポジション(初期位置)を取らないと肩甲骨を内転しにくいんです。
だから、肩甲骨を内側に引く意識持つと、無意識に軽く胸を張ってあごが引ける(脊柱が正常なS字に近づく)ようになります。肩甲骨を引く時はそれが楽な姿勢だから。
股関節を大きく使える
一見、股関節と肩甲骨は関係ないように見えますが、実は大有りです。
ウォーキングで腕を引く時に、軽く肩甲骨を内転させると腕の重みもあって体幹が回旋します(上半身がねじれる感じ)。上半身がねじれるとバランスをとる様に骨盤も回旋します(ねじる様な動き)。
骨盤が回旋する事で股関節が大きく使えて大股になるという事です。
『大股にしよう』という意識ではなく、結果的に『大股になる』という感じです。
ここで大事な事ですが、上半身が力んではダメです。力むと上記の運動連鎖が使えなくなります。あくまで自然な範囲で肩甲骨を内転するという事が大切です。
『腕を大きく振る』の間違った解釈
腕を大きく振るのが良いと言われますが、肘を身体の前で動かしているのを見かけます。
これはダメです。
これでは肩甲骨の外転(背骨から離れる方向)のままです。
肩甲骨の外転は猫背になりやすいし、自然な運動連鎖(体幹の回旋 ⇒ 骨盤の回旋 ⇒ 股関節を大きく)が使えません。
腕を引く時は肘を身体より後ろにくるようにします。
こうです。
着地とけり出しの注意点
以下は補足になります
前に重心が移動する間は、正常歩行では下図のような荷重の掛かり方になります。
踵 ⇒ 小趾球(小指のつけ根の出っ張ってるところ)⇒ 母趾球 ⇒ 足指
着地
ここで、踵から着こうと思って無理に足首を反らないでください。着地の時の足首はあくまで自然にです。『踵から着地しよう』とか考えて足首を意識するとスムーズな重心移動が阻害されます。
逆に、『足裏全体』で着地しようと意識すると、かえって小股になります(股関節の動きが小さくなる)。
着地の基本は歩幅に合わせて自然にです。
けり出し
けり出しでは母趾球(親指のつけ根)から指に体重が掛かって、けり出されます。
ここで、無理に地面を掴もうとして指を曲げないでください。
正しくは、指が反りながら曲げる方向に力を入れる事です(足趾屈筋群の遠心性収縮をつかう)。そうすると足部のアーチが上手く使えます。
言い換えると、指の動きとしては反っているけど重力に抗するために曲げる方向に力が入っている状態です。
「全然わからん」という方は気にしなくて良いです。
変に意識しなければ普通に出来てるはずです。要は変に意識をしない方が良いという事を言いたかったんです。
おわりに
この記事を書こうと思ったのはジムのトレッドミル(歩くマシン)で、身体の前で腕を動かす人が多いなぁと思ったからなんです。
そして頑張ってトレーニングをしている(っぽい)人ほど多い印象をうけます。
多分全身を大きく使おうとした結果なっているんだと思います。そこに直接声を掛けるのも変な話で、「お前ダレよ」ってなってしまうのは間違いないわけで。そこでネット上に記事を書いておけば、いつか見てくれるんじゃないかなと思ったわけです。
・・・届くだろうか?
というわけで終わります。
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