ランニングで筋肉痛になる部位と走り方の関係を説明します

ランニングで筋肉痛になる部位と走り方の関係を説明します

ランニングは全身の筋肉を使いますが、特に筋肉痛が起こりやすい部位があります。

本題は筋肉痛を起こしやすい走り方(部位別)と対策の話になりますが、その前に一般的な筋肉痛の予防や対処などを書いていきます。

目次

何で筋肉痛になるのか?

筋肉痛は、筋肉に一定以上の負荷が掛かるとおきます。

筋肉は分解と合成を繰り返しており、筋肉に一定以上の負荷が掛かると分解される量が多くなります。分解された筋肉が合成される時には前より強くなるのですが、この間の分解によって痛みが出ます。

この分解されている間は筋肉の小さな断裂が起きており、修復する過程で炎症反応がおきているというのが現状では有力な説となっています。

速く走るほど、長時間になるほど、筋肉への負荷が増えます。その負荷に耐えるだけの筋肉がないと筋肉痛はおこります。

では筋肉痛にならないと筋肉は成長してないのか?というとそんな事もなく、筋肉痛が起きない程度の負荷でも筋肉はついてきます。ただ、どの程度なら良いかという点に関しては基準がありません。

乳酸がたまるからではない

昔は激しい運動で乳酸がたまるから筋肉痛が起きると考えられてきましたが、

  • 乳酸は疲労物質そのものではない
  • 乳酸は運動してない時にもつくられている

という事から乳酸が筋肉痛に直接関係してはいないという説が現在の考え方です。


筋肉痛になってしまったら

実際なってしまったらどうする?って話なんですが、数日休めば治ります。

軽い筋肉痛の場合

軽い筋肉痛の場合、患部への血の流れを良くする事で、筋肉の修復を速くしたり発痛物質を除去する効果があるので、軽い運動が推奨されています。

歩くのに支障はないという程度ならその間のウォーキングやランニングは問題ないです、ただしランニングは負荷量を落とす必要があります。

また、ストレッチや軽いマッサージも有効です。

重い筋肉痛の場合

熱を持っている、少し腫れているといった場合は筋肉の微細断裂による炎症が強いという事です。その時はRICE処置(冷やす、軽く圧迫する、心臓の位置より高く上げる、安静)が有効です。

要するに炎症を抑えるため、幹部に血を多く流さないようにするという事です。

この間の運動は避ける方が良いです。炎症の治りが遅くなります。熱や腫れが引いてきたらストレッチなど軽い運動を始めていきます。

筋肉痛の予防

これはもう筋肉を強くするのが一番です。ランニングの負荷に耐えるだけの筋肉をつくるという事です。

それと筋肉が温まるまでは速度を上げないという事です。

軽いウォーミングアップで筋肉を温めておく事で、柔軟性や血の流れが良くなり筋肉は断裂しにくくなります。

参考:ウォーミングアップと筋肉の温度について

筋肉痛の部位と原因、対策など

いよいよ本題です。前提として負荷に耐えるだけの筋肉がないと筋肉痛はおこります。

ただ、走り方によって起きやすい箇所がでてきます。ランニングで使われる筋肉を別記事で書いてますが、良かったらそちらも参考にして下さい。

関連記事:ランニングで鍛えられる筋肉

ふくらはぎ(下腿三頭筋)

  • けり出し
  • 足先の着地(フォアフット接地)

下腿三頭筋はけり出しで使われます。速く走ろうとして足首で最後の一押しをする時に最も働きます。

それと足先から接地すると、着地の衝撃から足首を守るために下腿三頭筋が強く働きます。フォアフット接地はふくらはぎの筋肉が必要となる走り方です。この時、重心の上下動が少なく『スッスッスッ』と走れれば負担は減りますが、基本的には強靭なふくらはぎが必要です。

下腿三頭筋は太ももの筋肉に比べて小さいので、足首でけり出すような走り方は長距離では辛いのでおススメしません。

太もも前(大腿四頭筋)、すね(前脛骨筋)

この2つは前側の筋肉で、着地の時に働きます。特に、着地してグッと体重が乗る時の足が、重心よりも前にある程に負担が大きくなります

骨盤後傾(猫背)、速度が遅い時、重心の上下動が大きい時に筋肉痛を起こしやすいです。

よく初心者は足の前側が筋肉痛になりやすいと言いますが、荷重の掛かる時の足の位置が決め手になっています。

また、無理につま先を上げて踵から接地しようとすると、すね(前脛骨筋)が過剰に働いてしまいます。

太もも外側(大腿筋膜張筋、外側広筋(四頭筋の一部))

こちらも着地の時に働く筋肉ですが、特に膝が外を向いているような走り方(ガニ股)で起きやすいです。あと、前側の筋肉なので荷重する時に足が前にある程筋肉痛が起きやすいです。

見た目にガニ股になっていなくても、骨盤後傾(猫背)していると股関節が開きます。そうすると外側の筋肉に負担が掛かってきます。ここで無理に膝だけ内側に入れようとしても窮屈な姿勢になるので、基本は猫背をやめる事を意識するべきだと考えます。

腹筋群、背筋群

まとめてしまいましたが体幹の筋肉群です。

ランニング中に姿勢を伸ばした状態を保つためには体幹の筋肉群が働く必要があります。姿勢を正そうとしなければそれ程筋肉痛にはならないハズです。・・が、速度を上げたり効率を考えると姿勢は正した方が良いです。

私はランニングを再開した時にはまず腹筋が筋肉痛になります。でもこれが悪い事だとは思っていません。ちゃんと体幹が使えていると捉えています。

ランニング終わりに軽いストレッチで筋肉痛の程度を抑えるようにしています。

太もも裏(ハムストリングス)

走る時の主力筋です。推進のエネルギー源として働いています。

ここが筋肉痛になる時は、しっかりと股関節から地面を押して推進できているという事です。

そのため悪い事ではないと考えますが、走り終わった後はしっかりとストレッチしておきましょう。

お尻(大殿筋、中殿筋)

ランニングでもウォーキングでも使います。着地の時に股関節にかかる衝撃を抑えるのがメインです。

そんなに悪い事ではありません。お尻の力は大切です。むしろお尻の力が鍛えられているんだとプラスに捉えてよいと考えます。お尻の筋力強化は腰痛予防にもなります。

関連記事:お尻の筋トレ!疲れると腰が重だるくなる方

まとめ

  • 前提として負荷に耐えるだけの筋肉がないと筋肉痛はおこります。
  • 簡単な対策は筋肉が温まるまで速度は上げない
  • 終わったらすぐストレッチ、またはお風呂で軽く温めるなど(血流改善)
  • 部位別の対策は各項目を見て下さい(筋肉痛の部位と対策の項ですが、若干私見も入っています)。

何かの参考になれば幸いです。

おわり

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日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。