梨状筋が硬くなる原因やケア方法など書きました。

梨状筋が硬くなる原因とケア方法について

梨状筋はおしりの痛みの原因になりやすい筋肉です。

そもそも何故硬くなるのかという事と、ケアの方法について書いていきます。

目次

梨状筋の解剖と作用

梨状筋は股関節の外旋6筋の1つでインナーマッスルに分類されます。

梨状筋

梨状筋(クリニカルマッサージより引用)

梨状筋は大殿筋の深部にある筋肉で、すぐ奥に座骨神経が通っています。

作用としては名前の通り、股関節を外旋(外にねじる動き)します

但し、股関節を60度以上曲げている時(屈曲)は内旋(内にねじる動き)する作用に切り替わります。ここが結構複雑なんですよね。

だからストレッチする時はどっちにねじるのが正しいのか分かりにくいと思いますので、下リンクにおしりのストレッチ方法の記事をまとめました。参考にして下さい。

参考:おしりのストレッチ方法を紹介します(画像あり)

で、もう一つ大きな役割があって、大腿骨を骨盤に引き付けるという役目があります。つまり股関節を安定させます。

インナーマッスル全般に言える事ですが、上手く機能しないと異常な関節運動をおこして痛みの原因になります。

こんなイメージです。

手を挙げる(インナーマッスルが働いている)

手を挙げる(インナーマッスルが働いている)

手を挙げる(インナーマッスルが働いていない)

手を挙げる(インナーマッスルが働いていない)

また、インナーマッスルは遅筋繊維が多く姿勢の保持などで活躍します。そのため長時間に渡って収縮を必要とする事が多く過緊張になりやすいです。これも痛みの原因になります。

そして梨状筋は過緊張により硬くなったり痛みをおこしやすいです。さらに座骨神経が近くを通っているため、重篤な場合には神経を圧迫して下肢のしびれや脱力につながります(梨状筋症候群と呼ばれます)。


梨状筋は何で硬くなりやすいのか?(一部私見も入っています)

原因として大きく2つに分けられます。

  1. 大殿筋、中殿筋が弱い
  2. 姿勢の問題

1.大殿筋、中殿筋が弱い

歩いたり走ったり立っている時、殿筋群全体で股関節を安定させています。中でも大殿筋や中殿筋は大きい筋肉のため支持する力が強いです。対して梨状筋など外旋6筋は支持する力がそれ程強くはないです。

もし大殿筋、中殿筋が弱い場合には外旋6筋に負担が掛かります。特に梨状筋は中殿筋と筋肉の走行が似ており、体重の支持で負担が掛かり易いです。

2.姿勢の問題

姿勢の要因としては腰椎の過剰な前彎が挙げられます(胸を張った、出っ尻)。

腰椎は一見関係なさそうですが、腰椎が前彎すると骨盤が前傾し、相対的に股関節が内旋しやすくなります。梨状筋は外旋筋なので、内旋位だと筋肉が引っ張られている(負荷が掛かり易い)状態となります。

さらにこの姿勢は大殿筋、中殿筋が弱くなりやすい姿勢です。

じゃあ腰椎を後彎したらどうかというと(いわゆる猫背)、腰椎を後彎すると骨盤が後傾して股関節が外旋しやすくなります。そのため梨状筋が緩むような感じがすると思います。

しかし、結果的には梨状筋はハムストリングスや大腿筋膜張筋と共に緊張します。そして大殿筋も弱りやすい。

つまり骨盤が前傾でも後傾でも梨状筋は硬くなりやすいという事です。加えて不良姿勢は大殿筋、中殿筋が弱くなり、股関節の支持力が落ちてさらなる痛みを生んでいるという話です。

梨状筋のケア方法

痛い時の対処法は基本安静です心配な方は整形外科に行く方が良いです)

特に急性期においては出来るだけ負荷を掛けない事です。

痛い時に無理にストレッチすると悪化する事が多いです。痛いものは伸ばしてもやっぱり痛いです。ストレッチは予防という意味合いが強いです。

じゃあ何も出来ないのかというとそんな事もなく、良い方法があります。

それは梨状筋の軽い反復収縮です。

※全ての方に当てはまるわけではありません。

梨状筋の軽い反復収縮

梨状筋に力を入れる、抜くという繰り返しで筋肉の血流を良くします。

※筋肉痛の時に軽いウォーキングをすると血流が良くなって早く回復するのと同じイメージです。

梨状筋の軽い体操

梨状筋の軽い体操

梨状筋の軽い体操2

梨状筋の軽い体操2

これは筋トレではありません。反復収縮によって筋肉を緩めるためにおこなうものなので、軽い力でお願いします。最大筋力の20~30%が目安と言われております。

もちろん痛い時は即中止です。

その他、梨状筋と座骨神経の滑走性を上げるために股関節の屈伸運動などあります。

股関節の屈伸運動

股関節の屈伸運動

これは梨状筋を収縮する動きではないですが、梨状筋と座骨神経との滑りを良くするというイメージです。

痛みが軽くなってきた時

痛みが軽くなってきた時は今後の予防を考えていきます。

ストレッチ

ここでようやくストレッチです。予防のため定期的にお尻周囲のストレッチをおこなっていきます。

参考:おしりのストレッチ方法を紹介します(画像あり)

※反復収縮は力を入れたり抜いたりする事で筋肉を緩めるのに対して、ストレッチは伸ばす事で緩めていきます。ストレッチで痛みが強い時は筋肉が緩まないので効果はあまり期待できません。

さらに姿勢改善のために腸腰筋と大腿筋膜張筋のストレッチもおこなっていきます。

参考:腸腰筋のストレッチは腰を反らない事が大切!股関節のストレッチ

大殿筋、中殿筋の筋トレ

これも予防です。梨状筋の負担を分散するというイメージです。

参考:お尻の筋肉をつけるスクワット

参考:中殿筋の鍛え方を6つ紹介します。

もちろん痛い時は無理しないのが鉄則です。

それと迷ったら運動しないで整形外科に行った方が良いです。本当に痛いのは梨状筋なのか判別するのって難しいはずです。何個かテストして「これは梨状筋かも・・」っていう感じだと思うので。

中途半端な感じですがこの記事はここまでにします。

参考になれば幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

日本の北の方に住んでいる30代男性です。 趣味:身体を動かす事。 仕事:医療系。 属性:社畜。 嫌な事でも笑顔で「YES」と答える事で様々な難局を切り抜けてきた経歴を持つ。壁と同化して存在感を消す事で飲み会を一次会で切り上げる特殊技能「ステルス」を備えている。 そんな私は仕事上、身体に関わる事を日々勉強しています。 これまで学んできた事や自身の経験から、出来るだけ役立つ情報を発信すべく立ち上げたブログです。 趣味であり、仕事でもある運動をメインテーマに扱っていきます。 皆様の身体や運動に関する疑問を解決する糸口になれば幸いです。