ウォーキングでは下半身の筋肉が全般的に使われますが、歩き方によって使われる筋肉は全然違います。
歩き方によっては使われない筋肉も出てくるのですが、今回は一般的に歩行で使われる筋肉を紹介します。
目次
ウォーキングは遅筋のトレーニング
ウォーキングは一般的なスポーツと比べて負荷量は低いので、どちらかというと遅筋のトレーニングになります。
筋肉は瞬発的な力を発揮する速筋と、姿勢の維持など日常生活で使われる遅筋で構成されています。
例えば、太もも前の大腿直筋という筋肉は速筋65%、遅筋35%で構成されており、お尻の大殿筋はほぼ50%ずつで構成されています。
じゃあウォーキングは遅筋のトレーニングだから大腿直筋は35%位しか使われないのか?というと『YES』です。
基本的に筋肉は負荷量が低い場合は遅筋から使われていくからです(遅筋は長時間もつからです)。速筋を働かせる場合は、負荷量を増やすか、遅筋が疲労して速筋も働かないと支えれない状態をつくらないといけません。
こう書くと、ウォーキングはトレーニングとしてはあまり良くないんじゃないかと思われるかもしれませんが、遅筋は超重要です。
遅筋は抗重力筋ともいわれ、姿勢を維持したり日常生活で良く使う筋肉なので、歩く習慣がなくなると日常生活のちょっとした動きでも疲れやすくなります。
また、ウォーキングは循環器系(全身的な血の流れ)が良くなるという点で凄い利点があります。
空き時間に走ったり歩いたりするのは最適な運動だと思います。
という訳で、以下は歩行で使われる筋肉の説明になります。
※歩行を細かく分けるとゴチャゴチャになって訳が分からなくなるので、大きく2つのフェーズに分けます。
足を着いた時に働く筋肉
ウォーキングでは踵を着けて体重がグッと乗る瞬間に最も多くの筋肉を使います。着地の衝撃を筋肉で吸収するためです。
- お尻の筋肉の大殿筋、中殿筋
- 太ももの前側の大腿四頭筋
- 太ももの裏側のハムストリングス
- 内ももの内転筋群(6つの筋肉)
- 足首を反るための前脛骨筋
- 背中の脊柱起立筋
厳密に言うとまだまだ働いているのですが、大きなところはこの辺です。
1~4(太ももや股関節周りの筋肉)は股関節や膝関節の衝撃を吸収するために働きます。
5の足首を反る前脛骨筋という筋肉はあまり聞いた事がないかもしれませんが、働かないと踵を着けてから体重をスムーズに移動できなくなるんです。
6の背中の筋肉は腰への負担を減らすために働きます。立ってる時は常に働いていますが、着地の衝撃が加わる時に強く働くというイメージです。
けり出す時に働く筋肉
足をけり出す時に働く筋肉は
- つま先を伸ばす下腿三頭筋(ふくらはぎ)
- 太もも前の大腿四頭筋
- 内ももの股関節内転筋群
- 背中の脊柱起立筋
- 股関節の前の腸腰筋
となります。以下に注釈をつけます。
けり出す時はふくらはぎで地面を押します。細かく言うと、足指の筋肉も働くんですが、それを書くと膨大になるので省略します。
そして太もも前の筋肉で膝を伸ばす方向に力を加える事で、地面を蹴った力が股関節に伝わります。要は膝がカクっと抜けないように力を入れているという事です。
股関節の内転筋群は、地面を押した力を骨盤に伝える働きがあります。
けり出して足を前に運ぶ瞬間には腸腰筋という股関節の前側の筋肉も働きます。けり出す瞬間まで伸ばされた腸腰筋がバネのように働いて足を前に振り出します。
ウォーキングの質を上げるために
健康のために1日8000歩という量の目安はありますが、質の目安は一般的にありません。量だけにこだわって質を考えないとウォーキングの効果は薄くなってしまいます。
ウォーキングの質を上げるには股関節を大きく使う(少し大股)事が大切で、この記事で述べた筋肉の活動が上がる他にも腹筋群なども活動しやすくなります。
そのため少しだけ歩幅を増やす意識を大切にして下さい。
なお、ウォーキングは一般的な運動や筋トレと比べて負荷が低く、続けてもムキムキになるという事はありません。
ウォーキングは負荷量は低いので、どちらかというと遅筋のトレーニングになります。
加齢によって衰えやすいのは速筋なので、もし加齢による筋力低下を防止したいのであれば、スクワットなどの筋力トレーニングも併用する事が大切です。
以上です。
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