これは、5kmや10kmのマラソン大会を2~3か月後に控えた方で、練習時間はそんなにとれないけど、平均タイム以上には走りたいと思っている人向けの記事です。
結論を言うとビルドアップ走を中心に練習するのが良い、むしろビルドアップ走だけで良いとすら思います。
目次
最低限の練習は必要
前提として、練習時間がとれないとはいえ平均タイム以上を出すには週に2回は走る必要があります。
マラソンほど継続が力になる競技はありません。他の球技と違ってマグレや奇跡は起きないです。
もう分かってると思いますが、マラソンは純粋な心肺機能の勝負になります。どんなに筋力を上げて省エネのフォームにしようとも、勝負の大半は心肺機能で決まります。
そのため、心肺機能を上げる練習は絶対に必要です。
ビルドアップ走とは
序盤はゆっくり走り、後半に向けて徐々にペースを上げていく走法です。
例えば、10km50分で走りたい場合は、平均して1キロあたり5分で走る必要があります。ここで、最初は5分20~30秒くらいで走り、後半に5分/kmを切る速度で走る様に設定する練習方法です。
コツはタイムを気にしない事
例えで時間の事を書きましたが、これは一般的に言われているビルドアップ走の考え方です。
個人的な経験からは、練習ではタイムにとらわれない事が重要だと思っています。時間はあくまでおおよその目安程度に捉えておくだけです。
これは、日によって疲れがたまっていたり、天候、気温によって同じペースでも体感的な辛さが全然違うからです。タイム的にはゆっくり入っているつもりでも、有酸素運動と無酸素運動の境目の強度(AT値)になってしまう事がよくあるからです。
だから自覚強度で判断するのが一番です。ほんとうは心拍数で判断する方がおススメなのですが、ランニングウォッチが必要になるので。
あくまで最初は『この速度なら10kmは楽に走れるって感じる速さ』です。
そして、中盤(3kmくらい)から少しペースを上げますが、あくまでも気持ちよく自然にペースが上がっていく程度に抑えます。辛くてペースが上げられない場合は上げなくても良いです。その時はそのままジョギングに切り替えます。
中盤は巡航速度を保ち、終盤のために力を残しておきます。
終盤のラスト1~2kmは意識して少しペースを上げます。心肺機能を効率良く上げるには無酸素性作業閾値(AT値)程度までは追い込む必要があります。
※10km走る事を想定して距離を書きましたが、5kmでも、気持ちよく感じる程度にペースを上げるという考え方は一緒です。
ビルドアップ走は利点だらけ
走るのが苦じゃない
ペース走のように速度を決めて走ってしまうと序盤で苦痛になる時がありますが、ビルドアップ走なら最初はゆっくりなため苦痛なく走り出せます。また、調子が良くない時はそのままジョギングに移行できるので万全です。
心肺機能が効率よく上がる
効率よく心肺機能を上げるには無酸素性作業閾値(AT値)まで追い込む必要がありますが、気持ちよく無理ない程度に追い込む事が出来ます。
これには理由があります。
①循環器系(血液の流れ)のはたらき
②筋温の上昇
動き始めは身体が走るモードになっていません。運動時は全身の筋肉に大量の血液(酸素)を送る必要がありますが、準備なしで運動強度を上げると、身体が対応出来ずに心臓への負担が大きくなります。
これがゆっくり走り始める事で、徐々に筋肉の温度が上がり交感神経が働いたりして、血液を循環させる機構が整ってきます。結果的に心臓に掛かかる負担を抑える事ができます。
そのため気持ちよく追い込む事が出来ます。
走り終わった後の爽快感
やり切った感がでます。
そこそこ疲れるけど、辛く翌日まで残るような疲労ではないので、苦痛ではなく、また走ろうかなと思える程度に疲れます。
この『また走ろうかな』と思える事が何より重要です。
マラソンは継続が全てだからです。
本番同様の練習が出来る
これは結構重要な事ですが、なぜか大会になると多くの人がスタート直後にハイペースになります。今まで10km走っていない人やペース配分を考えてない人が陥りがちなんですが、10kmは序盤から飛ばすと持ちません。
最初の1~2kmは少しゆっくり入る方が結果的には好タイムになりやすいです。
ビルドアップ走はそんな走りに近いため、本番に近い練習が可能です。
※もし、最初の1~2kmもタイムを落としたくない時は直前に入念なウォーミングアップが必要になります。
おわりに
昨年、10kmの練習として色々試してみましたが、自分にはビルドアップが一番合っていると感じました。もちろん他の練習法が悪いっていう訳ではないですが、ある程度時間が限られた中で継続して練習を続けるには凄く良い練習法だと思っています。
もし、マラソンの練習をこれから始めようとしている方は試してみて下さい。
以上です。
コメントを残す